2019年で55年目を迎えたドイツ・ミュンヘンで開催する建築展示会BAU(バウ)は、20万m2に2250社が出展、25万人が訪問、過去最大規模となった。建築物の省エネ義務基準の強化と並行して省エネアイテムの開発が進むドイツで、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」やデジタル化といった新技術を取り込む製品、サービスが増えている。中でも施工をより速く、シンプルにする製品に注目が集まっていた。

BAU2019には150カ国から25万人が来場した(写真:Messe Munich)
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 ドイツはここ数年、5年前と比較して新築が30%増という好景気が続いている。その影響による職人不足やコスト高が悩みの種だ。工務店の多くはいかに施工速度を高め、コストを下げるかという2つの課題を抱えている。建材・設備メーカーはこれに対し、施工手順が少なくて済むアイテムの開発で差別化を図る。

施工を迅速にする配管セット(写真:永井 宏治)
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 こうした解決策の中で、代表的なものは複数の建材や設備を複合した製品だ。例えば、開口部の交換時は、窓の断熱性だけでなく気密性も向上するため、湿気がこもらないように換気機能が不可欠となる。

 手動式では、内倒しで、かつ換気時の防犯性が高い製品の人気が高い。機械式では、設備が見えにくい部分換気システムに注目が集まる。特に、開口部の交換と同時に遮熱目的でブラインドやシャッターを設ける場合に、ボックスに熱交換器付きの換気設備を設置し、設備のためだけの施工を避けたり、給排気口による外観への影響を最小限に抑えたりできる製品が人気だ。

 最近、こうした製品のコンパクト化や静音化が進んでいる。既存建築物への投資が中心であるドイツでは、改修にも使いやすいこうした製品の開発競争が建材・設備メーカー間で繰り広げられている。

断熱したシャッターボックスには電動シャッターと機械換気を、開口部横にはそれぞれのリモコンを取り付けている(写真:永井 宏治)
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シャッターボックスに付く屋内側給排気口(写真:永井 宏治)
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シャッターボックスに設置した換気設備。屋外からは給排気口が見えない(写真:永井 宏治)

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 ドイツでは外断熱の仕上げとして、コストが安いという理由から湿式を選ぶことが多い。ただ、ファサードダメージのリスクと、時間がかかる欠点がある。乾式は湿式と比較してコスト高であるものの、施工時間を短縮してコストダウンを図れる製品も多い。今回のBAUでは、屋内用の配線のためにスリットを入れた密度の高いウッドファイバーを屋外に付加断熱材として使用することで、乾式外装材の下地として利用できるアイデア製品も紹介されていた。

スリットの入った付加断熱材を乾式外装材の下地に利用できる製品(写真:永井 宏治)
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室内側に使う製品。ここにも配線が通るスリットがある(写真:永井 宏治)
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