今回は「5G(第5世代移動通信システム)」端末市場とモデムチップセットの動向を解説する。2018年に最初の5G規格が策定された。中東や北米で5G商用サービスが始まり、初期の5Gサービスや端末市場の見通し、課題が明確になってきた。

図1●主要地域における5G周波数と時期
(出所:テクノ・システム・リサーチ)
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 2018年には、5G NR (新しい無線周波数)に加えて、「Refarming Band(リファーミングバンド)」と呼ばれるLTE周波数の5Gへの転換が話題になった(主要地域・通信事業者別の5G周波数を図1に示す)。従来、北米以外の主要な地域で利用される3.5GHz帯が5Gのメインバンドと考えられてきた。それに加えて、中国における最初の5G周波数割り当てを受け、LTEのリファーミングバンドである2.6GHz帯が大きな市場となる見通しになった。

 2.6GHz帯は、2019年に合併予定の米T-モバイル(T-Mobile)と米スプリント(Sprint)に加えて、世界最大の通信事業者である中国チャイナモバイル(中国移動通信集団)が5Gメインバンドとして利用することが決まった。T-モバイルやスプリント、チャイナモバイルのいずれも、すでに2.6GHz帯で広範なLTEネットワークを構築しているため、非常に短期間で高い5G人口カバー率を達成できる。

 ミリ波5Gの状況は変わらず、北米を中心に韓国と日本の3カ国が主な市場となる。米AT&Tや米ベライゾン・ワイヤレス(Verizon Wireless)は、現状ではミリ波以外の5G周波数を持っていないため、ミリ波5Gの展開に積極的な姿勢を示しているが、韓国と日本の通信事業者はサブ6GHz NRを5Gのメインバンドとし、ミリ波は局地的な展開を想定している。

 AT&Tはミリ波のほかに、5GのアンカーバンドとしてLTEリファーミングを行う計画があるが、どの周波数をいつから利用するかは明確にしていない。ミリ波を利用した5Gとしてはほかに、欧州などでバックホールアクセスが検討されているが、商用時期は確定していない。

 5G先進国では全体的に、NRバンド(3.5/4.5GHz帯、ミリ波帯)に加えて、2020~2021年にかけてLTEバンドの5Gへの転換が進み、5Gエリアが拡大するとともに、NSA(Non-Standalone)5GからSA(Standalone)5Gネットワークへの移行が検討されると予想する。

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