LPWA端末市場への注目度は2年程前から高まり、様々な団体から大きな市場予測が示されてきた。しかし現時点でPoC (Proof of Concept: 検証実験)やトライアルのニュースは多く見られるものの市場はまだ小さい。今回のTSRコラムでは、セルラーLPWA市場の現状と見通し、さらにモジュールとチップセット業界の動向について解説する。

規格とネットワーク

 セルラーLPWA規格として想定されているのは、一般的にLTE Cat.M (eMTC)とNB-IoT、EC-GPRSである。本稿ではLTE Cat.1 (eDRX、PSMといった低消費電力技術を組み合わせて利用されることがある)も含めて説明する。

 セルラー各規格を比較すると、機能やコスト、消費電力が高い順にLTE Cat.1 > LTE Cat.M > NB-IoTとなる。機能面ではデータスループットや音声通話の可否、移動受信性能が、主な違いとなる。機能面からみると、NB-IoTはLoRa等のUnlicensed LPWA規格に近い。ネットワークの点では、LTE Cat.1は既存のLTEネットワークをそのまま利用しており、LTE Cat.Mは既存のLTEネットワークのUpgradeによって対応する。

 一方でNB-IoTはLTEネットワークUpgradeの他に、GSMネットワークの転換によって対応可能になる。LTEネットワークが広く普及している北米や日本などでは、LTE Cat.Mが先行し、長期的にはLTE Cat.MとNB-IoTの両方に対応するだろう。これに対してLTEエリアが限られている欧州やアジア新興国などでは、NB-IoTが主流となりそうだ。中国はNB-IoTを優先的に展開しているが、2018年末以降はLTE Cat.Mネットワークも立ち上がる見通しだ。図1に2018年第2四半期時点のLTE Cat.MとNB-IoTのオペレータをまとめた。EC-GPRSはGSMの低消費電力規格として標準化されたが、現在までに商用化の動きはない。

図1●LTE Cat.1及びNB-IoT通信事業者
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