2018年12月22日付の日本経済新聞が「鴻海とシャープが中国に総事業費1兆円規模の半導体工場建設へ」との記事を掲載した。みずほ証券では当該記事の真偽について確かめていないが、内容自体に違和感はないと感じた。

 その理由は大きく3つある。つまり(1)台湾鴻海(ホンハイ)グループがシャープを買収した目的の1つに半導体技術の取得が含まれていると我々が考えてきたこと、(2)郭董事長自身も中国における半導体工場への投資を示唆していたこと、(3)山東省など中国の複数地域で半導体工場投資の可能性が現地メディアなどで伝えられていたこと、である。

 鴻海グループは既に中国に多数の工場を有している。資本集約的な液晶パネルについても、現地政府の支援を得ながら1兆円近い資金を投入して、10.5世代の液晶パネル(LCD)工場(アモルファスSi:生産能力9万枚/月)を広州市に建設している。2019年初頭から製造装置の納入が始まり、2019年第4四半期の量産開始を計画する。

 総投資金額のうち、鴻海グループの負担は3割程度と推定され、半導体工場に投資する場合も同様の枠組みとなる可能性が高い。半導体事業は、地方政府が投資主体となるフラット・パネル・ディスプレー(FPD)とは異なり、中央政府関連のファンドなども投資をする重要度の高い分野となっている。

 鴻海グループが投資を決めれば、資金調達自体の困難度は10.5世代の液晶工場投資より低いだろう。仮に1兆円の投資をする場合は、鴻海グループで2000億円、シャープで1000億円を負担するような形を我々は想定している。シャープにとって1000億円は大規模投資となるが、米ウィスコンシン州の6世代LCD工場(酸化物半導体:生産能力6万枚/月)への投資の可能性が低下していることから、投資資金を半導体に回すことは考え得るシナリオである。

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