みずほ証券では、大型液晶パネル需給の底入れが近づいているとみている。理由は、1)指標性が高いと考える32型/55型パネル(オープンセル:バックライトが付いていない半製品状態)の価格が落ち着きを見せつつある、2)大手TVブランド、パネルメーカーの製品・パネル在庫、及び製品の流通在庫はほぼ正常水準に戻っているとみられる(ただし鴻海グループである堺ディスプレイプロダクト及び台湾Innoluxのパネルを採用したテレビは例外)、3)2018年暦年の大型パネル生産能力(面積ベース)は6.6%増、生産量は6.7%増であり、需要の5.0%増と大きな乖(かい)離はないと予想、の3つである。

 パネルメーカーは高水準の稼働を続けると予想されることから、主要部材(ガラス、フィルム関連や化学系材料など)の需要も堅調に推移する。大型液晶パネルのバリューチェーンには、方向性としてはポジティブなモメンタムとなるだろう。2019年に再度の供給過剰懸念があることから、パネル価格の本格的な上昇は望み薄だが、大手パネルメーカーが営業損益ベースで大幅な赤字になる前に需給が底打ちすることは、短期的にポジティブと捉えられるだろう。

32型/55型のパネル価格は底に近づく

 まず、パネル価格と在庫について。2018年1月の32型(オープンセル、HD)最低価格は62~63米ドル、平均は65米ドル程度とみられ、パネルメーカーは十分な収益を上げている。パネル価格は落ち着きを見せつつある。3月に向けて下げ余地は狭まり、60米ドルを大きく下回る可能性は低いとみる。55型(オープンセル、60Hz動作保証、4K)も、最低価格が170米ドルを割る例は見当たらず、平均は175米ドル程度。3月までの下げ余地は5米ドル程度とみている。こちらもパネルメーカーの損益分岐点は割っていない。

 32型、55型とも生産能力が最も大きいG8工場で生産されており、テレビブランドにとっても主要サイズとなっている。この2サイズのパネル価格の下落に歯止めがかかりつつあることは、パネル需給にはポジティブである。

 2018年第1四半期のパネル供給枚数は、前四半期比で32型は微減、55型はほぼ横ばい。このことは、春モデル向けにテレビブランドのパネル需要が立ち上がっていることを示唆している。

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