2019年9月9日の明け方に首都圏へ上陸した台風15号による停電の影響が長引いている。特に千葉県では大半の地域で停電が発生し、完全復旧には2019年9月末までかかる見通しだという。断水を併発している地域も多く、台風通過後の3日間は首都圏で季節外れの猛暑日が続いたために熱中症患者が急増した。今回は緊急時・災害時のライフラインを確保するために何をすべきか、について考えてみたい。

(出所:PIXTA)
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 筆者には千葉県在住の知り合いがおり、今回の停電長期化の被害に巻き込まれてしまった。知り合いの居住地域では停電が続いていた。スマホ経由で無事を知らせるメッセージが届いたものの、電池を充電できない、テレビも映らない、固定電話は作動していたが電源を確保できないために呼び出し音が鳴らない、猛暑なのにエアコンも扇風機も使えない、という状況だった。知り合いは老齢で自動車を運転できないだけでなく、腰痛のために遠距離の歩行が困難で、このまま被災地に放置するわけにはいかないと思い、急きょ、救助に向かうことにした。

 近所のスーパーで飲料水やウェット・ティッシュなどの「救援物資」を可能な限り買い込み、夜の高速道路を走っていると、被災地の近辺では照明が間引きされていたように思う。通常より何となく暗いのだ。高速道路から一般道に入ると、周囲は完全に闇の中。国道でさえ信号が作動しておらず、スーパーもコンビニもすべて照明が消えていた。頼りになるのは自動車のライトだけで、懐中電灯を持たない歩行者とすれ違うだけでもハンドルを握る手が緊張したほどだった。

 生活には自動車が必需品となるような地域だが、筆者の知り合いのように運転できない高齢者も多く、持ち込んだ「救援物資」は予想以上に感謝された。猛暑の中、電気と水を絶たれた生活がどれほど厳しいものか、改めて考えさせられた次第である。2019年9月10日の時点では「停電は一両日中に復旧できるらしい」というのが居住者たちの認識で、筆者の知り合いも「1泊だけ避難して、入浴と洗濯を済ませたら自宅に戻ろう」と考えていたのである。

 ところが事態は予想以上に深刻で、復旧見通しが後ろにずれ込んだ。「過去に例のないほどの風速・気圧だった。過去に比べても非常に厳しいレベルの被害だった」とのことで、作業を進める中で新たに修復が必要な場所も見つかっている状況のため、復旧に遅れが生じたようである。

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