自動車に求められる新しい機能「CASE (Connected, Autonomous, Shared, Electric)」の中で、「E」を進めるためのキーデバイスとして、電池への注目度が高まりつつある。電池コストが高いとEVの価格が下がらない、充電に時間がかかるなど、普及のためにクリアしなければならない課題も存在する。ここでは、電池業界の現状と今後の見通しについて述べてみたい。

図●リチウムイオン2次電池市場の予測
(出所:産業タイムズ&Grossberg)
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 電池の話に入る前に、ここでもう一度、CASEの内容について確認しておこう。「Connected」はクルマに通信機能を持たせることで、利便性や安全性を追求することが目的である。EUでは、すでにこの機能を使った「eCall」システム(事故発生時に自動的に救助を要請するシステム)の搭載が義務付けられており、普及は急速に進んでいる。

 視点を変えてみれば、これはクルマをIoTの端末として大きなシステムに組み込むことを意味しており、様々な情報のやり取りが行われることで、新たなサービスの実現も期待できる。次世代の無線通信技術「5G」は、車載通信機能が最大のアプリケーションになる可能性も高く、Connectedの普及はすでに加速する段階にあると言えよう。

 「Autonomous」は運転を自動化することで、ドライバーの負担軽減や事故の減少を目的としている。すでにADAS(Advanced Drive Assistance System:先端運転支援システム)の普及が進んでおり、自動運転の実現はその究極の姿である。その究極の姿を実現するために必要なAIプロセッサを誰が供給するのか。米インテル(Intel)や米エヌビディア(NVIDIA)といった半導体メーカーなのか、それとも自動車メーカーが独自に開発するのか、議論の余地がありそうだが、いずれにしても開発・進化・普及の競争はますます激しくなるだろう。

 「Shared」はクルマを保有するより共有しよう、という流れで、ユーザーの負担は軽減できるが、自動車メーカーにとって「クルマが売れなくなるのではないか」という懸念がつきまとう。ただしこのサービスは国内外ですでに急速に広がっており、自動車メーカー自身がこのサービスに乗り込んでくる動きも見られる。一般ユーザーにとってのメリットが明確なので、これも確実に普及が進むだろう。

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