2018年11月8日に東芝の中間決算発表が行われ、大手電機メーカー8社の決算が出揃った。このうち5社が営業利益で前年から増益を達成しているが、そのすべてがポジティブに評価できるわけではなさそうだ。各社の決算内容について、1つずつ分析してみよう。

日立製作所:中長期で営業利益率10%を目指す

 日立製作所の2018年度上期売上は4兆4918億円で前年比2.6%増の微増だったが、営業利益は3446億円で同413億円の増益を記録した。

 情報・通信システム部門はシステムインテグレーションの増収増益が大きく貢献し、社会・産業システム部門は鉄道システム(特に欧州向け)や産業機器事業が好調であった。電子装置・システム部門の収益はほぼ前年並みだが、日立国際電気を売却した上での実績を考慮すれば十分な健闘と言えるだろう。

 建設機械部門は海外案件が軒並み好調だったようだ。高機能材料部門は日立化成における製品構成の変動および原材料価格の高騰がネガティブに作用した。オートモーティブシステム部門は北米での業績不振が響いた結果となった。

 通期業績予想を変更せずに据え置いたが、上期の実績を考慮すれば上振れ余地があると言えよう。懸念材料としては、三菱重工業との南アフリカの石炭火力発電プロジェクトを巡る係争、英国政府と協議継続で合意している原子力発電事業「ホライズンプロジェクト」、オートモーティブ事業の構造改革、などがある。オートモーティブに関してはクラリオンの売却が大きな決断として、株式市場でもポジティブに評価されたようだ。

 全体的には、中長期で営業利益率10%達成に向けて着実に進歩している状況を評価したい。

図 日立製作所の業績(会社決算資料よりGrossberg作成)
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