シリコンバレーで画期的アイデアが次々と生まれる理由のひとつとして、狭い地域の中に高度で雑多な知見を持つ人材が密集している点を挙げる人は多い。開放的で乗りがよい文化も相まって、研究者やエンジニアが分野や組織を超えて交わる機会は多く、相互に触発されながらブレークスルーにつながる気づきを得ているという説明だ。最新の情報をいち早く知り、異分野では当たり前の発想に触発される機会を増やすには、知見を持つ人が物理的に近いところにいる必要があったのではないか。

 そうした意味では、日本も同様の特徴を持つように思える。シリコンバレーほど自由闊達な人の交わりがあるわけではないかもしれないが、高レベルの多様な知見を持つ研究者が密集している。そんな多くの具材が煮詰められるスープ鍋のような環境が、日本を科学技術大国たらしめていたのではないか。

 日本の科学技術研究の競争力を維持・強化するためにすべきことを、執政の視点と研究者自身の視点の両面から考えている今回のテクノ大喜利。3番目の回答者は、TSUの高橋恒雄氏である。同氏は、ITの発達によって情報のやり取りが容易化したことで、世界の科学技術の研究開発の環境がどのように変わるのかを考察。世界のどこでも最先端の情報を容易に取得・活用できるようになった時代において、科学技術の国際競争力は何によって生まれるのかを議論した。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
高橋 恒雄(たかはし つねお)
TSU 代表取締役
高橋 恒雄(たかはし つねお) 第二精工舎、富士ゼロックスで研究開発に従事、マイクロコード、x86、68000、RISC、UNIXに親しむ。その後、インテルに80860アプリケーションエンジニアとして入社、ペンティアム・マーケティングなどを経て取締役通信事業本部長。モトローラにはメトロワークス社長で入社、半導体部門スピンオフに伴いフリースケールジャパン社長、リーマン・ショック後の組織大縮小完了後退社。株式会社TSUを設立。その後INCJにリクルートされ、ルネサスエレクトロニクスでターンアラウンドを行う作田チームに執行役員常務兼CSMOとして参画。TSUではTPGキャピタル、ベアリング・プライベートエクィティ・アジアのアドバイザーを歴任。ライフワークとしてサウンドスケープを研究。
【質問1】そもそも、科学技術研究の国際競争力が落ちると、どのような不都合があると思われますか?
【回答】日本のGDP低下
【質問2】もしもあなたが文部科学大臣だったら、科学技術研究の国際競争力を高めるため、真っ先にどのような施策を打ちますか?
【回答】実験、体験カリキュラムの拡充
【質問3】あなたの子どもが学者になりたいと言ったとします。どのようなアドバイスをしますか?
【回答】想像力を上げ、創造力を高める

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