世界中で、自動運転車の開発が同時並行的に進められている。公道を使った実験も盛んに行われるようになった。そして、自動運転車が交通事故を起こしたというニュースを、たびたび耳にするようになった。事故を起こした自動運転車は、技術的に未熟な点があったからこそ事故が起きたのだろう。事故を教訓にして技術開発を進めれば、事故が起きる件数は減るに違いない。しかし、それよりも気になる点がある。万全の注意を払って運用していただろう実験車で事故が起きたことだ。

 事故を起こしたクルマにも、危険な状況になった際に回避行動を取る責任を持った運転補助者が、当然、同乗していたことだろう。それでも突然の危険な状況に、適切な対処ができなかったのだ。一般ドライバーよりも緊張感を持って乗っていた人が対処できなかったわけだから、気を抜いた一般ドライバーが同様の状況に直面したら適切な対処など望むべくもない。レベル3対応自動運転車が普及するということは、こうした状況が起きかねないクルマが街を走るということではないか。

 レベル3対応自動運転車の存在意義と実現に向けた課題、その解決に向けた方策などを議論している今回のテクノ大喜利。2番目の回答者は服部コンサルティング インターナショナルの服部 毅氏である。同氏は、レベル3対応車が、極めて危険なクルマであることを指摘。たとえレベル3相当のクルマを開発できたとしても、あくまでもドライバーに運転責任があることを明確にしたレベル2の発展版として市場投入することを薦めている。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
服部 毅(はっとり たけし)
服部コンサルティング インターナショナル 代表
服部 毅(はっとり たけし) 大手電機メーカーに30年余り勤務し、半導体部門で基礎研究、デバイス・プロセス開発から量産ラインの歩留まり向上まで広範な業務を担当。この間、本社経営/研究企画業務、米国スタンフォード大学 留学、同 集積回路研究所客員研究員なども経験。2007年に技術・経営コンサルタント、国際技術ジャーナリストとして独立し現在に至る。The Electrochemical Society (ECS)フェロー・終身名誉会員。マイナビニュースや日経xTECHなどに、グローバルな見地から半導体・ハイテク産業動向を随時執筆中。近著に「メガトレンド半導体2014-2023(日経BP社)」「表面・界面技術ハンドブック(NTS社)」「半導体・MEMSのための超臨界流体」(コロナ社)がある(共に共著)。
【質問1】レベル3自動運転を市場投入することに、社会的なもしくはビジネス上の、技術開発上の意義を感じますか?
【回答】感じない
【質問2】仮にレベル3自動運転の市場投入を見送った場合、自動車メーカーに生じる問題または得られる効果は何だと思われますか?
【回答】自動運転による交通事故の発生防止、本格的自動運転技術開発の促進
【質問3】仮にレベル3自動運転が普及しなかった場合、部品やソフトウエアを提供するメーカーに何らかの影響が及ぶと思われますか?
【回答】レベル3ではなくレベル2+として市場投入すれば影響は少ない

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