車載半導体は、盤石の成長市場であるかのように見える。実際、英IHS マークイット(Markit)は、2016年~2022年の車載半導体の成長率は年平均7.1%と高水準かつ堅調に成長し続けると予想している。車載半導体のトップ3、オランダのNXPセミコンダクターズ(NXP Semiconductors)、ドイツのインフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies)、ルネサスエレクトロニクスなどは、洋々たる前途にさぞかし心躍る状況であろう。

 しかし、現実的には、そう安心していられる状況ではないようだ。エンジンやボディーなどの制御向けでは豊富な車載半導体メーカーだが、これから急成長するCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)に関連した応用では、他の追随を許さないほどの強みはない。NXPがコネクテッドで、インフィニオンが自動運転で強みを持つ技術や製品を保有しているくらいだ。車載半導体での実績を、これからの成長につなげるための確かな手立てを確保しているわけではない。

 本格的なクルマの大変革を前に、時代の要請に合う形へと業態変更を推し進めている車載半導体のトップ3社。今回のテクノ大喜利では、各社の業態変化が、クルマの進化に及ぼす影響やそこでの車載半導体の勢力図の行方について議論した。2番目の回答者はGrossbergの大山 聡氏である。同氏は、従来の車載半導体とクルマの大変革に際して求められている半導体には応用面での大きな違いがあり、車載半導体のトップ3といえど、近未来にも主導権を維持し続けることが約束されているわけではないことを指摘した。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
大山 聡(おおやま さとる)
Grossberg 代表
大山 聡(おおやま さとる) 1985年東京エレクトロン入社。1996年から2004年までABNアムロ証券、リーマンブラザーズ証券などで産業エレクトロニクス分野のアナリストを務めた後、富士通に転職、半導体部門の経営戦略に従事。2010年よりIHS Markitで、半導体をはじめとしたエレクトロニクス分野全般の調査・分析を担当。2017年9月に同社を退社し、同年10月からコンサルティング会社Grossberg合同会社に専任。
【質問1】車載半導体のトップ企業群が、相次いでM&Aに走る理由は何だと思われますか?
【回答】従来の制御系だけでなく、情報系のソリューションを強化する必要があるから
【質問2】インフィニオン、NXP、ルネサスの中で最も合理的かつ的確なM&Aを行っているのはどこだと思われますか?
【回答】ルネサス以外の2社は、いずれも合理的なM&Aを行っているように見える
【質問3】変貌を遂げる車載半導体関連の業界で、ルネサスは生き残り、確かなポジションを得ることができると思われますか?
【回答】現状のままでは厳しいと思う

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