車載半導体関連のメーカーの周辺が騒がしくなってきた。主要メーカー各社が、M&Aによる新たな事業体制の整備や経営体制の抜本的見直しなどを始めている。

 まず、ドイツのインフィニオン・テクノロジーズ(Infineon Technologies)は、クラスター向け半導体などで実績を持つ米サイプレス セミコンダクタ(Cypress Semiconductor)を買収すると発表した。今回の買収によって、同社は車載半導体の分野で世界トップのメーカーになる見込みである。また、オランダのNXPセミコンダクターズ(NXP Semiconductors)は、Wi-FiやBluetooth、Zigbeeなどで実績を持つ米マーベル セミコンダクター(Marvell Semiconductor)の無線通信半導体部門を買収すると発表した。

 そして、ルネサスエレクトロニクスは、これまで積極的なM&A路線を推し進めてきた呉文精 社長兼最高経営責任者が、業績悪化の引責で退任。後任に柴田英利 最高財務責任者が昇格した。一度は苛烈なリストラの効果で営業利益率が15%まで回復した同社だが、直近では2四半期連続で営業赤字を計上していた。

 本格的なクルマの大変革を前に、車載半導体のトップ3社が時代の要請に合う形へと業態変更を推し進めている様子が見て取れる。今回のテクノ大喜利では、各社の業態変化が、クルマの進化に及ぼす影響やそこでの車載半導体の勢力図の行方について議論した。最初の回答者は服部コンサルティング インターナショナルの服部 毅氏である。同氏は、3社のうち、特にインフィニオンの戦略的な体制整備に注目し、車載で強化した強みを他分野での強みに展開できる可能性を指摘した。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
服部 毅(はっとり たけし)
服部コンサルティング インターナショナル 代表
服部 毅(はっとり たけし) 大手電機メーカーに30年余り勤務し、半導体部門で基礎研究、デバイス・プロセス開発から量産ラインの歩留まり向上まで広範な業務を担当。この間、本社経営/研究企画業務、米国スタンフォード大学 留学、同 集積回路研究所客員研究員なども経験。2007年に技術・経営コンサルタント、国際技術ジャーナリストとして独立し現在に至る。The Electrochemical Society (ECS)フェロー・終身名誉会員。マイナビニュースや日経xTECHなどに、グローバルな見地から半導体・ハイテク産業動向を随時執筆中。近著に「メガトレンド半導体2014-2023(日経BP社)」「表面・界面技術ハンドブック(NTS社)」「半導体・MEMSのための超臨界流体」(コロナ社)がある(共に共著)。
【質問1】車載半導体のトップ企業群が、相次いでM&Aに走る理由は何だと思われますか?
【回答】車載半導体ビジネスのポートフォリオを拡大することによるワンストップショップ/トータルソリューションの提供で、強固なポジショニングの構築、およびIoT活用の他分野へのビジネス展開
【質問2】インフィニオン、NXP、ルネサスの中で最も合理的かつ的確なM&Aを行っているのはどこだと思われますか?
【回答】インフィニオン
【質問3】変貌を遂げる車載半導体関連の業界で、ルネサスは生き残り、確かなポジションを得ることができると思われますか?
【回答】思わない

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