米中ハイテク摩擦は、思いのほか長期化し、両国とも一歩も引かない状況になってきた。

 米国は安全保障上の理由などを挙げて中国華為技術(ファーウェイ、Huawei Technologies)製品の排除を呼びかけたものの、ドイツや韓国などが同社製5G設備を受け入れることを決めるなど、世界は米国の意向に必ずしも同調しなかった。一方、中国の政府や企業の動きを見ると、必ずしもメンツだけで米国の要求を拒否しているわけではなさそうだ。米国発の技術を導入しなくても、自国内でハイテク関連技術を生み・育て、産業化していく自信を中国が付けつつあるようにも見える。

 家電量販店で見られる中国製品の高機能化や高品質化は目覚ましい。もはや日本製品を凌駕(りょうが)する分野も複数出てきている。実際、ファーウェイは5Gシステムの必須特許を米クアルコム(Qualcomm)と米インテル(Intel)の合計より多く保有。米グーグル(Google)が「Android」のライセンスを剥奪すると言えば、即座に独自OSへの移行を表明できる力を持ち始めた。こうした中国の技術開発力の向上は、ファーウェイのみならず、ドローンや次世代車、産業用ロボット、宇宙開発などさまざまな分野で垣間見える。

 これまで電子産業では、米国こそが技術革新やイノベーションの唯一の発信源であり、欧州、日本、韓国、台湾、そして中国などは、米国が生み出すトレンドや標準、ルールに沿った技術を発展、具体化する役割を担ってきた。しかし、中国の企業やエンジニアが力をつけ、米国が中国の動きを封じ込めようとすれば、体力にものをいわせて、米中2極体制を築き上げる可能性が出てきているようにも感じる。今回のテクノ大喜利では、電子産業において、米中2極伴存体制が生まれる可能性について議論した。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
和田木 哲哉(わだき てつや)
野村證券 グローバル・リサーチ本部 エクイティ・リサーチ部 エレクトロニクス・チーム マネージング・ディレクター
和田木 哲哉(わだき てつや)  1991年早稲田大学 教育卒。東京エレクトロンを経て、2000年に野村證券入社。アナリストとして精密機械・半導体製造装置セクター担当。2017年、Institutional Investor誌 アナリストランキング1位、日経ヴェリタス人気アナリストランキング 精密半導体製造装置セクター 1位。著書に「爆発する太陽電池産業」(東洋経済)、「徹底解析半導体製造装置産業」(工業調査会)など。
【質問1】電子産業に技術革新やイノベーションを生み出す場として、米国が中国よりも優れている点は何だと思われますか?
【回答】国民のやる気と創意を引き出すシステムと法体系
【質問2】逆に、中国が米国よりも優れている点は何だと思われますか?
【回答】総合すると中国に軍配。差は一気に詰まり、いずれ米国を抜く
【質問3】米国だけでなく、中国からも電子産業における技術革新やイノベーションが多発する未来に、現実味を感じますか?
【回答】「現実味を強く感じた」by President T

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