数年前に、誰が、こんなことが起きると想像しただろうか。4月17日、台湾の鴻海精密工業(ホンハイ、Hon Hai Precision Industry)董事長 兼 総経理の郭台銘(テリー・ゴウ)氏が、台湾の総統候補選びの予備選挙に出馬表明した。米国で実業家のトランプ大統領が登場したことにも驚いたが、今度は電子業界に関わるところで同様のことが起きつつある。

 鴻海は、言わずと知れた世界最大のEMS(電子機器の受託製造サービス)。その生産能力の巨大さと、同社に自社製品の生産を委託する企業の幅広さから、世界の電子機器生産そのものと言える存在である。また、台湾は米国と中国の両方と関係が深い地域である。解決に向けた決め手を欠く、ハイテク覇権を巡る米中貿易摩擦への影響も気になるところだ。

 今回のテクノ大喜利では、電子産業のど真ん中にいる企業のカリスマが、ハイテク覇権を競う米中両大国がせめぎ合う戦場の最前線に位置するナイーブな地域の重要ポストに就くことで起こり得ることについて議論した。ここでは、特に米中貿易摩擦に対する影響にフォーカスし、関税引き上げの応酬をはじめとする短期的事柄に対する影響と、ハイテク覇権争いという長期事柄に対する影響に分けて各回答者の見方をまとめたい。

【質問1】仮に郭台銘氏が台湾総統になったとしたら、電子業界にどのような影響が及ぶと思われますか?
【質問2】郭台銘氏の台湾総統就任によって、米中貿易摩擦の行方にどのような影響が及ぶと思われますか?
【質問3】鴻海傘下のシャープ、また鴻海と取引がある日本企業には、どのような影響が及ぶと思われますか?

 3つの質問に対するそれぞれの識者による回答要旨は、以下の表の通りだ。

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表1 テクノ大喜利「テリー・ゴウ総統の破壊力と創造力」回答まとめ
ハイテク覇権を争う米中の傍らで、郭台銘氏は攻防の裏回し役になるのか

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