少子高齢化による人材不足が大きな課題になっている。ところが、日本の電子産業やIT産業に注目すれば、なぜかリストラが進行している。人材不足は、これらの産業では無縁なのかと思えるような状態だ。

 産業界で起きている人材不足や余剰の状況を少し細かく見ると、日本の産業界で起きていることの実像が見えてくる。電子産業やIT産業でも、特定の技術や市場の知見やスキルを持つ人材は引く手あまたの状態である。例えば、自動運転やIndustry 4.0に向けた生産システムなどの開発に活用する人工知能(AI)関連のエンジニア、合理的・効果的・効率的なデータの取り扱いにたけたデータサイエンティスト、電気自動車や再生可能エネルギーに向けたパワーエレクトロニクス関連などの技術者や専門家である。技術革新によって、時代が求めるビジネスに必要な知識やスキルが変化した結果、過去の技術だけに精通した人材が余り、新しい技術を身に付けた人材が不足している。つまり、職のミスマッチが起きていると言える。

 人材の流動性が高い社会環境ならば、時代の要請に沿って人材を再配置することは比較的容易かもしれない。しかし、日本は、世界でも有数の人材の流動性が低い社会。この点が、技術革新が激しい業種において、国際競争力をそぐ要因になる可能性が出てきている。今回のテクノ大喜利では、電子産業やIT産業、自動車産業など、技術革新が急激に進む事業環境の中で、日本企業はどのように人材を活用することで競争力を維持・向上させ、技術者個人はより活躍できる場を得ることができるのか議論した。

【質問1】大きな技術革新が頻繁に起きる業種において、日本企業における技術者の自発的流動性を高めることはできると思われますか?
【質問2】時代の要請に応える知識やスキルを習得する社会人教育(生涯教育)を活発にするためには、どのような方策を取るべきだと思われますか?
【質問3】大きな技術革新が起きる業種の技術者は、個人の価値を維持・向上させるために、どのような点に留意して働く必要があると思われますか?

 3つの質問に対するそれぞれの識者による回答要旨は、以下の表の通りだ。

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表1 テクノ大喜利「人余りと人不足に悩むニッポン」

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