イノベーションや技術革新について論じるとき、それらをいかにして生み出すかに焦点を当てて論じられることが多い。確かに、個々の企業や国の産業が競争力を養ううえで、新しいアイデアや斬新な技術を自ら生み出すことは大切だ。しかし、ビジネスや産業を発展させるという観点から見れば、その新しいアイデアや技術を応用・活用し、製品やサービスを商品化し、産業化していくための力も欠かせない。

 商品化や産業化を推し進めるためには、イノベーションや技術革新の本質を理解し、的確な応用法や活用法を考える人材が必要だ。商品やビジネスは、研究者や事業企画担当者だけで作り上げているわけではない。設計者・生産技術者・フィールドエンジニア・営業など、さまざまな役割を担う人材もまた、新しい技術やビジネスについて理解する必要があるだろう。今起きている技術の進化やビジネスモデルの変革に、いち早くキャッチアップしていくためには、こうした人材を大量に育成する必要があるのではないか。

 電子産業やIT産業、自動車産業など、技術革新が進む事業環境の中で、人材の流動性が低い日本企業、さらには技術者個人が、どのように振る舞い、備えたらよいのか議論している今回のテクノ大喜利。2番目の回答者は、服部コンサルティング インターナショナルの服部 毅氏である。同氏は、不要になればすぐに解雇するドライな人材活用をしていると思われがちな米国企業が、実は競争力を維持するための人材教育に腐心していることを、自らが見聞きした経験を基に紹介している。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
服部 毅(はっとり たけし)
服部コンサルティング インターナショナル 代表
服部 毅(はっとり たけし) 大手電機メーカーに30年余り勤務し、半導体部門で基礎研究、デバイス・プロセス開発から量産ラインの歩留まり向上まで広範な業務を担当。この間、本社経営/研究企画業務、米国スタンフォード大学 留学、同 集積回路研究所客員研究員なども経験。2007年に技術・経営コンサルタント、国際技術ジャーナリストとして独立し現在に至る。The Electrochemical Society (ECS)フェロー・終身名誉会員。マイナビニュースや日経xTECHなどに、グローバルな見地から半導体・ハイテク産業動向を随時執筆中。近著に「メガトレンド半導体2014-2023(日経BP社)」「表面・界面技術ハンドブック(NTS社)」「半導体・MEMSのための超臨界流体」(コロナ社)がある(共に共著)。
【質問1】大きな技術革新が頻繁に起きる業種において、日本企業における技術者の自発的流動性を高めることはできると思われますか?
【回答】頻繁に起きる大きな技術革新そのものが、技術者の自発的流動性を促す
【質問2】時代の要請に応える知識やスキルを習得する社会人教育(生涯教育)を活発にするためには、どのような方策を取るべきだと思われますか?
【回答】社内外教育の充実や学費援助、大学院レベルの先端分野の授業のネットを通した受講制度
【質問3】大きな技術革新が起きる業種の技術者は、個人の価値を維持・向上させるために、どのような点に留意して働く必要があると思われますか?
【回答】専門性を深めて極めるとともに、時代の要請に即した幅広い知識やスキルを身に付けるように心掛け、世界のメガトレンドに乗り遅れないようにする。国際標準語としての英語力を磨き、世界で勝負する

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