全盛期の米Intel(インテル)の強さは、PC向けマイクロプロセッサーで業界標準を握ることだけではなかった。半導体製造技術の進化を常に先導する、圧倒的プロセス開発力もあった。前者がコンピューター業界のバリューチェーンに多大な影響力を及ぼす原因であったのに対し、後者は半導体業界のサプライチェーンの方向性を決定づけるほどの影響力を持っていた。同社が新しい露光技術やプロセス技術の開発、ウエハー大口径化の検討などを進める際、競合もサプライヤーも半導体業界内のあらゆる企業が、同社の顔色と一挙手一投足に注目していた。

 PC向けマイクロプロセッサーの強みは、少し目減りしたとは言え、今だ健在である。しかし、プロセス開発力での強みに関しては、もはや半導体業界全体を引きずり回すほどの先導力はない。言うまでもなく、「Mooreの法則」の原動力は半導体微細加工技術の進歩である。この序文の筆者は、2015年にインテルがFPGA大手の米Altera(アルテラ)を買収した時、アルテラのFPGAの競争力は格段に強化されるのではとみていた。インテルの先端プロセスが優先投入され、より高性能なチップがより早く市場投入されると考えたからだ。しかし、現在のところ、見立ては外れているように感じる。まさか、あのインテルのプロセス開発が、ファウンドリーのプロセス開発に後れを取ることになるとは……。

 インテルが特別な半導体メーカーであり続けるための方策を議論している今回のテクノ大喜利。3番目の回答者は、服部コンサルティング インターナショナルの服部 毅氏である。同氏は、インテルにとって、半導体プロセスの開発での優位性を維持することがいかに重要であるかを論じている。そして、そこで優位性が見られなくなった同社の未来を悲観している。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
服部 毅(はっとり たけし)
服部コンサルティング インターナショナル 代表
服部 毅(はっとり たけし) 大手電機メーカーに30年余り勤務し、半導体部門で基礎研究、デバイス・プロセス開発から量産ラインの歩留まり向上まで広範な業務を担当。この間、本社経営/研究企画業務、米国スタンフォード大学 留学、同 集積回路研究所客員研究員なども経験。2007年に技術・経営コンサルタント、国際技術ジャーナリストとして独立し現在に至る。The Electrochemical Society (ECS)フェロー・終身名誉会員。マイナビニュースや日経xTECHなどに、グローバルな見地から半導体・ハイテク産業動向を随時執筆中。近著に「メガトレンド半導体2014-2023(日経BP社)」「表面・界面技術ハンドブック(NTS社)」「半導体・MEMSのための超臨界流体」(コロナ社)がある(共に共著)。
【質問1】現在のインテルのプロダクトもしくはビジネスで、もっと注力した方がよいと思われるものは何でしょうか?
【回答】遅れに遅れている10nm CPUの可及的速やかな潤沢な出荷
【質問2】インテルがIDMであり続けることに、妥当性・合理性・必然性があると思われますか?
【回答】思わない
【質問3】20年後のインテルは、今より輝いていると思われますか?
【回答】思わない

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