並みの企業ならば、世界のトレンドに沿ったビジネスに邁進していることは、アピールポイントになるだろう。データセンター、IoT、5G、自動運転、人工知能(AI)、量子コンピューター・・・。しかし、「Mooreの法則」のような50年以上にわたって電子業界の発展を裏付けるトレンドを生み出し、自らが先導役となって引っ張り続けてきた米Intel(インテル)が、他社が作り出した流行に乗りまくっている様子を見ると、一抹の寂しさを感じてしまう。

 そんな暇はないのかもしれない。半導体業界の他社から見れば、インテルという強力なトレンドセッターの力が衰えたとすれば、一体、誰が半導体業界、ひいては電子業界の未来のトレンドを描くことになるのだろうか。歴史をひも解けば、絶対的な王権を持つ君主の威光が衰えたとき、それまで君主の顔色を見て動いていた人々はより所を失い、野心を持つ人々は思い思いの動きを活発化させてくるのが常だ。半導体業界は、活気ある乱世の入り口にいるのかもしれない。

 インテルが特別な半導体メーカーであり続けるための方策を議論している今回のテクノ大喜利。2番目の回答者は、慶応義塾大学の田口眞男氏である。技術者として、また半導体メーカーの経営者として、長年にわたって業界の君主Intelを見てきた同氏は、これからも“インテルらしさ”を発揮していくための方策を考察した。ただし、手詰まり感も感じているようだ。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
田口 眞男(たぐち まさお)
慶應義塾大学 先端科学技術研究センター 研究員
田口 眞男(たぐち まさお) 1976年に富士通研究所に入社とともに半導体デバイスの研究に従事。1988年から富士通で先端DRAMの開発・設計に従事。メモリーセル、高速入出力回路や電源回路などアナログ系の回路を手掛ける。2003年、富士通・AMDによる合弁会社FASL LLCのChief Scientistとなり米国開発チームを率いてReRAM(抵抗変化型メモリー)技術の開発に従事。2007年からSpansion Japan代表取締役社長、2009年には会社更生のため経営者管財人を拝受。エルピーダメモリ技術顧問を経て2011年10月より慶應義塾大学特任教授、2017年4月より同大学の先端科学技術研究センター研究員。技術開発とコンサルティングを請け負うMTElectroResearchを主宰。
【質問1】現在のインテルのプロダクトもしくはビジネスで、もっと注力した方がよいと思われるものは何でしょうか?
【回答】独走できるビジネスモデルの創出が先決、プロダクトならばマイニング用プロセッサー
【質問2】インテルがIDMであり続けることに、妥当性・合理性・必然性があると思われますか?
【回答】 IDMであり続ける消極的必然性がある
【質問3】20年後のインテルは、今より輝いていると思われますか?
【回答】ラッキーな運命で今より輝いている可能性はあるが、普通の会社になってしまう可能性の方が高い

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