半導体に限らず、物の値段は需要と供給の関係が不均衡になることで変動する。もちろん、需要が急に増えたときでも、迅速に供給量を増やすことができれば大きな値動きはない。しかし、多くの商品では、需要を増やすにも供給を増やすにも一定の時間がかかり、そう都合よくバランスを取ることはできないのだ。

 半導体の場合には、それまで工場の稼働率が低水準だったら、すぐに供給量を増やすことができる。しかし、稼働率の低い工場を抱えていた時点で、その半導体メーカーは敗北している。いまや増産体制を整えるには数千億円、1兆円といった、失敗すれば一発で会社が潰れてしまう額の投資が必要になった。そんな高価な設備を、余裕を持って導入し、不確かな需要の増大に備えて、稼働率が低いまま遊ばせておくような運用を考えるところなどない。多くの半導体メーカーは、需要の増大が顕在化し、供給不足が確実になってから増産体制を整える。

 低迷する半導体市場の反転の糸口と冬の時代だからこそ考えるべき半導体関連企業の身の処し方を議論している今回のテクノ大喜利。2番目の回答者は、Grossbergの大山 聡氏である。同氏は、供給不足が顕在化してから増産に向けた設備投資を決め、実際に増産が始まるまでのタイムラグに注目し、需給バランスの崩れによる値動きが最も大きいメモリー市場に見られる周期的な変動を説明している。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
大山 聡(おおやま さとる)
Grossberg 代表
大山 聡(おおやま さとる) 1985年東京エレクトロン入社。1996年から2004年までABNアムロ証券、リーマン・ブラザーズ証券などで産業エレクトロニクス分野のアナリストを務めた後、富士通に転職、半導体部門の経営戦略に従事。2010年よりIHS Markitで、半導体をはじめとしたエレクトロニクス分野全般の調査・分析を担当。2017年9月に同社を退社し、同年10月からコンサルティング会社Grossberg合同会社に専任。
【質問1】現在急激に落ち込んでいる半導体市場は、いつごろ反転すると思われますか?
【回答】2019年6月がボトムとなる可能性が高い
【質問2】半導体市場が反転するきっかけとなる要因・条件・イベントは何だと思われますか?
【回答】5G関連の投資が活性化すること
【質問3】半導体市場が低迷している間、半導体関連企業はどのような戦略・戦術・施策を取るべきだとわれますか?
【回答】自社の業務や生産活動にAI・IoTを積極的に導入すること

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