欠点と利点、ピンチとチャンスは表裏一体。この点に着目して、一見不利な状況にありながら、大逆転勝利を収めた戦術家は多い。例えば、どんなに大規模な部隊でも、行軍中の進路が狭い場所では分散化せざるを得なくなり、相手に各個撃破のチャンスが生まれる。ナポレオンはそうしたタイミングを逃さずに、効果的ポイントに戦力集中して勝利する戦術を得意にしていた。逆に、大軍が密集している場合にも、相手が付け入る余地がある。大船団を密集させて押し寄せた曹操の軍に火攻めを仕掛けて一気に焼き払い大勝利した周瑜の戦術は、三国志のクライマックスとなっている。

 5Gでは、データ伝送の劇的向上を実現するため、高い周波数帯を利用している。中でも、ミリ波帯である28GHz帯の電波は、指向性が高い、遠くに飛ばないといった、これまでの携帯電話の電波の性質というよりも光に近い性質を持っている。これは、通常の携帯電話のユースケースを前提として考えれば、紛れもなく欠点である。しかし、より多くの応用を開拓することを目指す5Gにおいて、欠点と断じることができるのだろうか。

 大きな期待と一抹の不安を抱えて始まる5Gが円滑に普及するための条件を論じている今回のテクノ大喜利。4番目の回答者は、テックポイントの蓬田宏樹氏である。同氏は、5Gの技術的な特徴のうちの利点と欠点を見極め、欠点をも活用する柔軟な発想での応用開拓の重要性を論じている。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
蓬田宏樹 (よもぎた ひろき)
Techpoint コーポレートマーケティング担当 副社長 兼 テックポイントジャパン 社長
蓬田宏樹 (よもぎた ひろき) 1997年に東京工業大学大学院生命理工学研究科を修了。同年に日経BP社に入社し、日経エレクトロニクス編集部に配属。2004年から日経BP社シリコンバレー支局に駐在し、米エレクトロニクス業界動向などを取材した後、2008年から日経エレクトロニクス副編集長。2013年から約2年、日経グループである日本経済新聞社 産業部(現・企業報道部)に出向。2015年から日経エレクトロニクス副編集長・編集長などを歴任後、2016年にTechpoint社に入社、現在に至る。
【質問1】5Gの普及や応用拡大に不安要因があるとすると、論点は何だと思いますか?
【回答】「時間軸」や「ロードマップ」の共有
【質問2】5Gの利用者数増大やインフラ整備の加速の起爆剤となる応用は何だと思われますか?
【回答】「飛ばない無線」に大きな注目
【質問3】5Gの応用拡大と普及を促すため、通信事業者や応用サービスの事業者がすべきことは何だと思われますか?
【回答】インフラの整備を粛々と

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