顕在化する人手不足を解消するため、または働き方改革の一環として、ソフトウエア型ロボットで単純な業務を自動化するRPA(Robotic Process Automation)を導入する企業が増えてきた。業務効率向上に効果的な手段として、その期待は大きい。ところが、管理者の人事異動や退職によって、管理者不明の“野良ロボット”が増殖し、不正利用や業務のブラックボックス化などさまざまな問題を引き起こすようにもなった。

 作業を自動化するツールが登場すると、その効果が大きければ大きいほど、頼り切ってしまう気持ちが芽生える。自動化ツールが人の管理下に置かれ、制御可能なうちはよいのだが、頼り切っていたロボットがいつしか管理されない状態になり、人知れず暴走しても、気付かない、直せない、止められない状態になる。

 さまざまなデータを収集し、機械や設備を制御するIoT端末は、5Gの活用が本格化することによって、利用シーンが拡大し、扱うデータの質と量が飛躍的に向上することだろう。大きな期待と一抹のもやもやを抱えて始まる5Gが円滑に普及するための条件を論じている今回のテクノ大喜利。3番目の回答者は、無線技術のエキスパートであるアンプレット通信研究所の根日屋英之氏である。同氏は、5Gの活用が本格化することで、現実世界の中で情報をたれ流し続ける“野良IoT端末”が数多く生息するようになる可能性を指摘している。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
根日屋 英之(ねびや ひでゆき)
アンプレット通信研究所 所長
根日屋 英之(ねびや ひでゆき) 1980年に日産自動車、1981年に東京大学生産技術研究所、1984年に日立湘南電子、日立製作所に勤務。1987年に株式会社アンプレットを設立し代表取締役社長に、2016年にアンプレット通信研究所を設立し代表に就任。携帯電話、RFID、アンテナ、人体通信機器、ミリ波レーダなどの設計に従事。株式会社アンプレット設立後は、東京電機大学の非常勤講師、東京大学の特任研究員、国内外の無線通信機器メーカー、携帯電話メーカー、アンテナメーカーの役員や技術顧問を兼務。現在は、アンプレット通信研究所の所長、人体通信コンソーシアムの主催者、人と車と家をつなぐV2HH研究会の主催者、日・韓 合同 人体通信研究会の日本側幹事、日本大学大学院の先端技術特論 担当講師、峰光電子の技術顧問を務める。
【質問1】5Gの普及や応用拡大に不安要因があるとすると、論点は何だと思いますか?
【回答】5Gの普及で期待されるIoT 端末を組み込んだモノが、その役割を終えたときの後始末をどうするのか
【質問2】5Gの利用者数増大やインフラ整備の加速の起爆剤となる応用は何だと思われますか?
【回答】導入目的が明確な5G回線を用いた遠隔医療
【質問3】5Gの応用拡大と普及を促すため、通信事業者や応用サービスの事業者がすべきことは何だと思われますか?
【回答】IT構想、ユビキタス構想でうまくいかなかった理由を学び直す

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