パワー半導体の分野では、技術開発、事業規模、品ぞろえと、あらゆる面で他社を圧倒するダントツ企業、ドイツのインフィニオンテクノロジーズ(Infineon Technologies)が存在する。当然のようにSiC関連のビジネスも積極的である。果敢な投資で生産能力を増強すると同時に、2018年12月には、SiCの材料損失を最小限に抑えることでウエハーから得られるチップ数を2倍に拡大する技術を保有するドイツのベンチャー企業、シルテクトラ(Siltectra)を買収するなど、低コスト化に向けた施策も打っている。海外には、同社以外にも米テスラ(Tesla)の電気自動車「Model 3」のメインインバーターに自社製SiC MOSFETが採用された仏伊合弁のSTマイクロエレクトロニクス(STMicroelectronics)など競合がいる。

 SiCパワーデバイスを扱う日本企業は、応用市場の黎明期と言えたこれまでは、技術的な強みをアピールできる状態だったかもしれない。しかし、世界のトップ企業はさらにギアを1段上げて加速している印象がある。そうした中、日本企業のパワーデバイス・ビジネスは競争力を維持できるのであろうか。

 SiCでの競争力を日本の半導体産業が死守するための方策を議論している今回のテクノ大喜利、5番目の回答者は東海東京調査センターの石野雅彦氏である。同氏は、投資戦略などを精査し、世界の競合に対する日本企業の現在地を語った。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
石野 雅彦(いしの まさひこ)
東海東京調査センター シニアアナリスト
石野 雅彦(いしの まさひこ) 山一証券経済研究所、日本興業銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券を経て、東海東京調査センターのシニアアナリストとして半導体、ディスプレー、通信などテクノロジー企業および産業を対象にした調査・分析に従事している。
【質問1】SiC関連ビジネスで、日本企業が伸ばすべき長所、解決すべき課題は何だと思われますか?
【回答】 SiCに限らず、パワー半導体全体のサプライチェーン強化の必要がある
【質問2】SiC関連ビジネスでぶっちぎりの競争力を養うため、日本の半導体産業が行うべき施策は何だと思われますか?
【回答】ぶっちぎりの競争力とは既に妄想である。欧州、中国および米国に見捨てられないための技術力の育成および結集
【質問3】SiC関連ビジネスで強みを継続できる状態にするため、日本の半導体産業が行っておくべき施策は何だと思われますか?
【回答】経営、資本力、人材、技術開発、市場調査、税制、政府支援、など横断的な産業政策の構築

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