近年、半導体チップを独自開発する企業が相次いでいる。いわゆるGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon.com)は皆開発している。日本では、デンソーが自動運転車向けの判断処理用プロセッサーを開発し、2018年12月にはAIベンチャーの雄であるプリファード・ネットワークスがAIチップの独自開発を発表して話題を集めた。競争力のある製品やサービスを提供するうえで、他とは違う半導体チップを保有することが極めて重要になってきている。言い換えれば、吊しで売っている半導体チップを使ったのでは、差異化できないと考えているわけだ。

 そんな状況下で鴻海精密工業の半導体内製の話題が出てきた。鴻海のビジネスであるEMSは、機器の製造自体は投資に見合った付加価値がなく、むしろ企画力や設計力、サービス提供にこそ注力したいと考える機器メーカーがいるからこそ成立する。では、独自半導体チップを持ちたがっている企業が増えているところで、鴻海が行うべき半導体事業とは何なのか。

 鴻海の半導体事業の行方を考えるうえでの視点を抽出している今回のテクノ大喜利。3番目の回答者は慶応義塾大学の田口眞男氏である。同氏は、先進的な半導体ユーザー企業の動きを念頭に置きながら、鴻海の半導体事業の価値と行方を考察した。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
田口 眞男(たぐち まさお)
慶應義塾大学 先端科学技術研究センター 研究員
田口 眞男(たぐち まさお)  1976年に富士通研究所に入社とともに半導体デバイスの研究に従事。1988年から富士通で先端DRAMの開発・設計に従事。メモリーセル、高速入出力回路や電源回路などアナログ系の回路を手掛ける。2003年、富士通・AMDによる合弁会社FASL LLCのChief Scientistとなり米国開発チームを率いてReRAM(抵抗変化型メモリー)技術の開発に従事。2007年からSpansion Japan代表取締役社長、2009年には会社更生のため経営者管財人を拝受。エルピーダメモリ技術顧問を経て2011年10月より慶應義塾大学特任教授、2017年4月より同大学の先端科学技術研究センター研究員。技術開発とコンサルティングを請け負うMTElectroResearchを主宰。
【質問1】鴻海の半導体内製で、同社の顧客である機器メーカーにはどのようなインパクトがあると思われますか?
【回答】チョイ足し半導体を提供してくれるならば歓迎。ワンストップ・ショッピングはかえって迷惑かも
【質問2】そもそも、鴻海による中国での半導体製造は実現できると思われますか?
【回答】世界の半導体メジャーに比肩できる立場にはなれないだろう
【質問3】鴻海による半導体製造が実現したとすれば、半導体業界にはどのような影響が及ぶと思われますか?
【回答】大きな影響は無いのでは

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