さまざまな業界で、人工知能(AI)やIoTを活用するための試みが活発化している。そして、これら新しい技術を基に効率的な業務や価値あるビジネスを創出するため、多くの企業が概念実証(Proof of Concept:PoC)を実施するようになった。

 ところが、意気込んでPoCに取り組んではみたものの、PoCから先に進まない例が数多く出ているという。それどころか、PoCを実施した企業の社員が慣れない膨大な作業に疲れ切ってしまい、「PoC疲れ」と呼ばれる状態に陥ってしまう例も多い。

 PoCはコンセプトが実現可能かどうかを見極めるためのものである。だから、実現に至らない例があるのは当然かもしれない。しかし、効率と効果を高めるはずの新技術の活用自体にネガティブな印象を抱くようになってしまうと、その後のPoCの実施、さらにはAIやIoTの本格的な活用に禍根を残してしまう可能性もある。コストと時間を掛けた挙げ句に、状況を悪化させてしまうのはとても残念なことだ。

 今回のテクノ大喜利では、PoC疲れを起こすことなく、AIとIoTを効果的に活用していくための方策について議論した。最初の回答者はアーサー・D・リトルの三ツ谷翔太氏である。同氏は、既存業務の延長線上にないことを検証するPoCを意義あるものにするためには、どのような視座からマネジメントすべきなのか論じた。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
三ツ谷 翔太(みつや しょうた)
アーサー・D・リトル(ジャパン) パートナー
三ツ谷 翔太(みつや しょうた)  世界最初の経営戦略コンサルファームであるアーサー・D・リトルにて、エレクトロニクス産業を中心とした製造業に対する新規事業戦略・研究開発戦略・知財戦略の立案支援、ならびに経済産業省を中心とした官公庁に対する産業政策の立案支援に従事。GAFAに代表されるグローバルプラットフォーマーが独占的地位を得る時代から、自律分散型の企業モデルが息を吹き返す時代への移行を見通した、フラグメント化する世界 ーGAFAの先へーを日経BP社から出版(共著)。
【質問1】そもそもAIやIoTを活用して業務課題の解決や新ビジネスを創出するうえで、PoCの実施は必須なのでしょうか?
【回答】本質的なデジタル化のための小さな事例づくりとして非常に重要
【質問2】PoC疲れを起こさないようにするためには、実施に際してどのような点に留意すべきだと思われますか?
【回答】教科書的な正解(一般解)があるという勘違い
【質問3】PoC疲れを起こした組織を立て直し、新たなPoCを実施していくためには、どのような対処をすべきだと思われますか?
【回答】個別案件の検証事項の再整理と、案件間の関係性の再整理

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