新技術を使って、豊かな生活や価値あるビジネスを生み出そうとする時、人と技術の関係に注目すると、大きく2つのアプローチがあるように思える。1つは、現状の人に新技術の方を寄せて使いやすくする方法。もう1つは、新技術の効果を大切にして、利用する人の方に変化を迫る方法である。

 より多くの人に技術を活用してもらうためには、前者の方法を採る方が無難だろう。多くの人は、生活習慣や仕事の進め方を簡単には変えられないからだ。しかし、柔軟な先駆者は、後者の方法を採って、新技術の効果を端的に示せる応用製品をいち早く作り出す。そして、その新技術の効果が誰の目から見ても明らかであることが分かると、大勢の人が、新技術を利用するために生活習慣や仕事の進め方を変えてくる。意外と、技術を使うユーザーは柔軟なのかもしれない。

 イノベーションを生み出す技術には、意外と後者のタイプが多いように思える。例えば、「そんな板みたいなもので電話はできない」とスマートフォンを見て多くの人は考えた。しかし、結局その利便性を認めて、板のような機械を頬につけて電話するようになった。通話しやすいガラケーは、今では多くの人にとって骨董品にしか見えない。

 回答者それぞれの視座から見た、2019年注目の動きを挙げていただいている今回のテクノ大喜利。5番目の回答者は、経営者の視点と現役技術者の視点を併せ持つ慶応義塾大学の田口眞男氏である。同氏は、新技術が、人々の生活習慣や仕事の進め方、定着していた業界構造さらにはモノの伝統的な形態にどのような変化をもたらすかに着目し、2019年の注目点を挙げた。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
田口 眞男(たぐち まさお)
慶應義塾大学 先端科学技術研究センター 研究員
田口 眞男(たぐち まさお)  1976年に富士通研究所に入社とともに半導体デバイスの研究に従事。1988年から富士通で先端DRAMの開発・設計に従事。メモリーセル、高速入出力回路や電源回路などアナログ系の回路を手掛ける。2003年、富士通・AMDによる合弁会社FASL LLCのChief Scientistとなり米国開発チームを率いてReRAM(抵抗変化型メモリー)技術の開発に従事。2007年からSpansion Japan代表取締役社長、2009年には会社更生のため経営者管財人を拝受。エルピーダメモリ技術顧問を経て2011年10月より慶應義塾大学特任教授、2017年4月より同大学の先端科学技術研究センター研究員。技術開発とコンサルティングを請け負うMTElectroResearchを主宰。
【質問1】2019年に注目するトピックスのキーワードを1つお聞かせください。
【回答】〇〇レス
【質問2】2019年の動向に注目している企業を1社挙げてください。
【回答】デンソー
【質問3】2019年の動向に注目している技術もしくは製品・サービスを1つ挙げてください。
【回答】シェアリング

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