機器間の連携を円滑にして、ユーザーを囲い込む手法は電気電子業界の古典的な手法だ。例えば、米アップル(Apple)の製品は、「Apple Watch」「iPhone」「iPad」「Mac」の間でユーザー情報やデータの連携が上手に取られている。いずれかの機器の利用にこだわりを持つ人は、よりよいユーザー体験を求めて、他の機器もApple製でそろえたくなってしまう。

 だが、こうした手法は本来、IoTにはそぐわない。同様のベンダー内に閉じた円滑な連携をIoTで展開されても、ユーザーは利便性を感じないだろう。あらゆるモノをインターネットにつなぐことで、新しい価値を生み出そうとしているわけだから、特定のベンダー製の製品の内輪だけいくら円滑に連携できても効果は限定的だ。そもそも、インターネットとは、ネット仕様の違いを越えて情報をやり取りすることを目指して付けられた名称であろう。インターネットを名前の中に包含している限り、内輪だけの円滑な連携は意味がない。

 回答者それぞれの視座から見た、2019年注目の動きを挙げていただいている今回のテクノ大喜利。4番目の回答者は、ITを活用したサービス創出の視点から電子業界とIT業界の動きを注視している東京理科大学大学院の関 孝則氏である。同氏は、特定ベンダーの傘の中だけで効果を発揮しがちな現在のIoTシステムの限界を指摘し、それを打破する動きを2019年の注目点として挙げた。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
関 孝則(せき たかのり)
東京理科大学大学院 イノベーション研究科 教授
関 孝則(せき たかのり) 2017年より東京理科大学の社会人大学院にて技術経営の教べんをとる。前職セールスフォース・ドットコムの常務執行役員で、IoTなど最新技術を軸にしたビジネス開発を担当。日本アイ・ビー・エムにて技術理事、グリッドやLotus Notesなどの新規事業の技術担当、 米国IBMにて、本社技術戦略スタッフ、 メインフレーム開発、著作権侵害調査などに従事。
【質問1】2019年に注目するトピックスのキーワードを1つお聞かせください。
【回答】民主化されたサービス連携
【質問2】2019年の動向に注目している企業を1社挙げてください。
【回答】Microsoft
【質問3】2019年の動向に注目している技術もしくは製品・サービスを1つ挙げてください。
【回答】 IFTTT

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