ICT関連の企業やネットサービスを提供している企業に勤める人の中には、日本やEUで強化された個人情報保護に関する法規制とその対処法に関する研修を受けた人がたくさんいるだろう。そして、日常的に伝えられる「データを有効活用して、価値あるサービスを創出せよ」という企業トップの掛け声と、遵守すべきことの多さの板挟みで、「息苦しい時代になったものだ」と感じている人も多いのではないか。

 多くの場合、法規制の制定や改正は、ICT技術が進歩していくペースにとてもついて行けない。頻繁に作ったり、変えたりすることもできない。新たな法規制が生まれる背景には、大抵、よほど時流に合わなくなった事情があり、その現状を是正しようとする狙いがある。好き好んで自国の産業競争力を弱めるような法規制を作る政府はない。このため、明確な法規制ができた方が仕事がしやすくなる場合がほとんどだ。要は、法規制といかに向き合い、正しく活用するかの問題である。

 世界で広がる個人情報保護強化の動きのICT産業や電子産業への影響を考えている今回のテクノ大喜利。3番目の回答者は、ゲスト回答者として内田・鮫島法律事務所 弁護士の日置巴美氏にご登場願った。同氏は、世界の個人情報保護強化の潮流で、明確になったことを例示。対処法の考え方を指し示した。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
日置 巴美(ひおき ともみ)
内田・鮫島法律事務所 弁護士
日置 巴美(ひおき ともみ)  国会議員政策担当秘書、消費者庁、内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室、個人情報保護委員会事務局を経て内田・鮫島法律事務所に入所。平成27年の「個人情報の保護に関する法律」の改正等に携わり、現在は、広くデータの取扱いに関するビジネスについての法律業務に従事する。
【質問1】個人情報の保護を強化する動きによって、IoTやAIに関連したビジネスの成長・発展はどのような影響が及ぶと思われますか?
【回答】長期的にみてマイナス影響なし。適切な保護がビジネスへプラスに働く
【質問2】個人情報を保護する規制が強化される中、個人情報を活用したサービスやシステムの開発を考える企業は、どのように対策すべきと思われますか?
【回答】法規制を前提とした対応は不可避。コスト削減・サービス充実には、体制整備が鍵
【質問3】個人情報の保護を強化する動きが広がっていることで、半導体や電子部品、ソフトウェアなど、関連サプライヤーにはどのような影響があると思われますか?
【回答】関連サプライヤーは、契約を通じて必要な措置が講じられるよう拘束され得る。法令、ユーザーの意向を踏まえた適切な対応を怠れば、損害賠償責任を負うこともあり得ることに注意

この先は有料会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)が4月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら