「本来の強みである『オンリーワン』を常に求める社風を捨て、柄にもない『ナンバーワン』を液晶で追求したことが、シャープ凋落の主因」。そんな有識者の論説を聞いたことがある。

 かつてのシャープの歴史は、他社が扱っていない商品こだわり続けてきた歴史でもあった。社名の由来になったシャープペンシルをはじめ、電子レンジ、LSIや液晶、太陽電池を使った電卓、ポケットコンピューター、携帯型翻訳機、液晶付きカムコーダー、そして液晶テレビなど、とにかく日本初、世界初の商品が多い。

 いの一番に市場投入するのに、最終的にはナンバーワンにならない。このことは、もちろん同社社員は悔しかっただろうが、同社の愛すべき点でもあった。それでも、次から次へと新しい商品を生み出すバイタリティーは十分賞賛に値する。まさに同社は、いつまでもベンチャーの心を持った大企業だったのだ。

 日本の電機メーカーの多くは、事業部が違えば、社員同士が会話する機会はほとんどない。ところがシャープは、組織間の壁が驚くほどない。シャープには、新しい取り組みをするとき、組織を超えて各分野のキーパーソンを集める「緊急プロジェクト(通称、緊プロ)」呼ぶ集まりが招集される。そして、他社に先駆けるオンリーワン商品の多くが、この緊プロから誕生した。シャープには、こうしたオンリーワンの商品を生み出す体制が今でもある。

 シャープの復活劇を勝手に評価し、復活した同社が得た未来について議論している今回のテクノ大喜利。3番目の回答者は、東京理科大学大学院の関 孝則氏である。同氏は、経営上の苦境を脱し、傷が癒えてきた今、シャープ本来の美徳をどのように生かすべきか、同社が注力すべきサービス事業を中心に論じた。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
関 孝則(せき たかのり)
東京理科大学大学院 イノベーション研究科 教授
関 孝則(せき たかのり) 2017年より東京理科大学の社会人大学院にて技術経営の教鞭をとる。前職セールスフォース・ドットコムの常務執行役員で、IoTなど最新技術を軸にしたビジネス開発を担当。日本アイ・ビー・エムにて技術理事、グリッドやLotus Notesなどの新規事業の技術担当、 米国IBMにて、本社技術戦略スタッフ、 メインフレーム開発、著作権侵害調査などに従事。
【質問1】鴻海資本下のシャープが復活を遂げた要因を1つ挙げるとすると、何だと思われますか?
【回答】コストの見直しを徹底的にし、社員のやる気を引き出す施策を実施
【質問2】シャープは継続的成長を期待できる企業になったと思われますか? 
【回答】継続的成長の土台はできた。次は顧客価値を提供するヒット商品を
【質問3】継続的成長を遂げるために、シャープが取り組むべき課題は何だと思われますか?
【回答】顧客の成し遂げたいことを理解し、そこに価値を提供する顧客価値の創出

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