日本の半導体産業に陰りが見えてきた1990年代後半、日本企業各社は、パソコン用プロセッサーで顧客企業に対して圧倒的な発言力を持ち始めた米インテル(Intel)を羨望の眼差しで見ていた。

 総合電機メーカーの部品内製事業として始まった日本企業の半導体事業は、常に顧客であるシステム部門の言い分を叶(かな)える立場にあった。外販が主力になっても、「お客様は神様」の商習慣は続いた。ASIC事業では、どんなに手間の掛かるチップでも赤字承知で、1論理ゲート当たり何円の料金で設計・生産していた。半導体は、階層型ピラミッド構造の下位に位置するビジネスだったのだ。

 当時の日本の半導体産業の関係者は、現在、米エヌビディア(NVIDIA)が人工知能(AI)や自動運転といった世界を変える応用創出をリードする様子をどう見るだろうか。きっと「もっと顧客の立場でモノを考えるべきだ」と異論を語りながら、心の中では「あっぱれ」と思うのではないか。

 NVIDIAによる使用許諾計画の改定では、NVIDIAとユーザーの双方がそれぞれの試練に直面している。どのような落としどころを見出すかは、AIや自動運転におけるサプライヤーとユーザーの関係を考える際の重要事例となることだろう。NVIDIAによる使用許諾契約改定が客観的にどう見えるかを論じている今回のテクノ大喜利。5番目の回答者は、半導体業界でマイコンのサプライヤーとして豊富な経験を持つテカナリエの清水洋治氏である。同氏は、顧客とサプライヤーの関係がせめぎ合う中に、新たな革新が生まれる土壌ができることを指摘している。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
清水洋治(しみず ひろはる)
テカナリエ 代表取締役 技術コンサルタント
清水洋治(しみず ひろはる)  ルネサス エレクトロニクスなど半導体メーカーにて、1980年代から2015年まで約30年間にわたって半導体開発に従事した。さまざまな応用の中で求められる半導体について、豊富な知見を持っている。2015年から、半導体、基板、およびそれらを搭載する電気製品、工業製品、装置類などの調査・解析、修復・再生などを手掛けるテカナリエの代表取締役 上席アナリスト。
【質問1】NVIDIAの契約改定は、妥当だと思いますか、それとも横暴だと思いますか?
【回答】専横的だが、しかし
【質問2】契約改定によって、クラウドサービスのビジネスにどのような影響が及ぶと思われますか? 
【回答】仕分けが起こる?
【質問3】突然の契約改定からビジネスを守るため、サービス事業者はどのような自衛策を講じるべきと思われますか?
【回答】セカンドソースの定義

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