2017年11月、米エヌビディア(NVIDIA)は、同社の普及版GPU「GeForce」と「TITAN」を利用する時に欠かせないドライバーの使用許諾契約(End User License Agreement:EULA)の中に、ブロックチェーン処理向けを除くデータセンターでの利用を禁止する項目を追加。データセンター向けに設計したGPU「Tesla」への移行を促した。

 新しい規約は、これからGeForceを導入する人だけではなく、既に利用している人にも適用される。同社のGPUの潜在能力を引き出すには、パソコン用プリンターと同様に純正のドライバーソフトがないと使えない仕組みになっている。同社は自らを「ソフトウエアベンダーである」と公言するように、高性能化技術の多くがドライバーに注がれている。その裏返しで、ユーザーから見れば、そのドライバーの最終版への更新は新しい規約に同意しないとできないビジネスモデルになっている。

 こうしたNVIDIAの施策に対し、データセンターの事業者などから反発や不安の声が上がった。GeForceの単価が約10万円に対し、Teslaの単価は約110万円と、極めて大きな価格差があるからだ。NVIDIAは、2017年12月30日に契約改定を説明する声明を出した。GeForceとTITANは24時間365日稼働し、熱対策要件の厳しいデータセンター向け設計されておらず、GeForceとTITANの間違った使い方を正したいという内容のものだ。実際、Teslaを選択してサービスを提供しているデータセンターも数多くある。

 今回のテクノ大喜利では、今回のNVIDIAの施策が各回答者の視座からどう見えているのか、同社の施策の妥当性と波及効果、さらにはユーザーの自衛策を探ることを目的とした。最初の回答者は、野村證券の和田木 哲哉氏である。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
和田木 哲哉(わだき てつや)
野村證券 グローバル・リサーチ本部 エクイティ・リサーチ部 エレクトロニクス・チーム マネージング・ディレクター
和田木 哲哉(わだき てつや)  1991年早稲田大学 教育卒。東京エレクトロンを経て、2000年に野村證券入社。アナリストとして精密機械・半導体製造装置セクター担当。2017年、Institutional Investor誌 アナリストランキング1位、日経ヴェリタス人気アナリストランキング 精密半導体製造装置セクター 1位。著書に「爆発する太陽電池産業」(東洋経済)、「徹底解析半導体製造装置産業」(工業調査会)など。
【質問1】NVIDIAの契約改定は、妥当だと思いますか、それとも専横的だと思いますか?
【回答】10%の理解を示した上で90%は専横的に見えると申し上げたい
【質問2】契約改定によって、クラウドサービスのビジネスにどのような影響が及ぶと思われますか? 
【回答】市場の拡大にブレーキが掛かる
【質問3】突然の契約改定からビジネスを守るため、サービス事業者はどのような自衛策を講じるべきと思われますか?
【回答】他の業界にならうべし

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