自動車のエアバッグが内蔵するEDR(イベント・データ・レコーダー)が、衝突事故時にどのようなデータを記録し、CDR(クラッシュ・データ・リトリーバル)によってそれを読み出すことで何が分かるのか。日本ではあまり知られていなかったEDR/CDRという装置と、それによって得られる実際のデータを紹介する。

 実際にEDRがどんな走行情報を記録しているかは、下のプレクラッシュデータの例(図1)を見ていただければ分かるだろう。最上段のTimeは、衝突した瞬間がトリガーとなって基準点の0となり、遡って4.65秒前からの車両の状況をロギングしている。

図1 プレクラッシュデータの一例。アクセルペダル開度、スロットル開度、ブレーキペダルスイッチ、ブレーキ液圧、前後方向加速度、ヨーレート、ステアリング角度、クルーズコントロールの使用/不使用まで表示されている。
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 車速の増減や最終的な衝突時の速度、ドライバーがアクセルとブレーキのどちらを踏んでいたのか、衝突被害軽減ブレーキは作動していたのか、ステアリングを切って回避行動をしていたのかなど、

 こうしたデータを読み出して解析するための装置がCDRである。これはドイツ・ボッシュ(Bosch)の米国法人が開発、供給しているものだ。そもそも米国でEDRの装備が検討された時点で、当時スキャンツールメーカーだった米ベトロニクス(Vetronix)がCDRを開発、ボッシュがそれを受け継いだ格好となる。

 EDRのデータは事故時のドライバーの責任の程度を証明するものになるため、クルマのユーザーは取得できる権利がある、とするのが連邦法規を定めた米国の姿勢。そのため読み出しのためのCDRを市場に供給することをベトロニクス社に求めたのであった。

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