「アストンマーティンはクルマを作り過ぎないようにします」――。英国のスポーツカーメーカー、アストンマーティン・ラゴンダ(Aston Martin Lagonda)でグループCEO(最高経営責任者)および社長を務めるドクター・アンドリュー・パーマーが来日。2019年8月14日に東京・青山の「House of Aston Martin」で、少数のジャーナリストを招いた“ラウンドテーブル”を開いた。

ドクター・アンドリュー・パーマー
(写真:アストンマーティン・ラゴンダ)
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 冒頭の発言は、現在の同社の株価低迷を受けてのものだ。ブレグジットで揺れる英国市場(アストンマーティン・ラゴンダにとっての主市場)と、ドイツをはじめ経済が不安定な欧州市場を鑑みて、2019年は6300~6500台の販売と発表した。

 2018年度から11%減になり、同社の株価下落の理由とされている。「今後きちんと台数を決め、市場での希少性を確保したい」と、ドクター・パーマーは述べた。

 「ただし全体としては、販売成績は悪くありません。全体では前年同期比で26%のプラス。この数字を達成できている自動車メーカーは他にないはずです。日本市場でもプラス約40%、米国にいたっては、約100%の台数増です。理由は、主力商品のヴァンテッジがやや個性的なルックスだったため、当初は敬遠ぎみだった消費者がようやく慣れてくれたことと、新しいリースプログラムの導入が成功したためです」

 現在、アストンマーティン・ラゴンダは過渡期にある。2014年に名エンジニア、マット・ベッカー氏を英ロータス・カーズ(Lotus Cars)から引き抜き、車両開発のトップに据えた後、車種体系を大きく整理してきた。

 下位モデルの方が高性能などと、「混乱していた」(ベッカー氏)モデルレンジをすっきりと整理し、2プラス2のGTは「DB11」とよりぜいたくな「DBS」に絞り、伝統的にラインナップに持つ2シーターのセミレーシングモデルは「ヴァンテッジ」に一本化した。こちらは、耐久レースで走らせるなど、スポーツイメージを高めるための看板車種という役割を割り振ったのである。

オープン(ボランテと呼称される)とクーペ、2つのスタイルのDB11。
(写真:アストンマーティン・ラゴンダ)
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最もスポーティなヴァンテッジではV8とV12が選べる。
(写真:アストンマーティン・ラゴンダ)
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 エンジンをみても、同社が手がけるのはV型12気筒のみだ。現在、V型8気筒は自社生産を取りやめ、ドイツ・ダイムラー(Daimler)のメルセデスAMG(Mercedes-AMG)から供給を受けている。「いいものが存在するなら、それを使ったほうが無駄がない」(ドクター・パーマー)という考えによるという。

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