自動車部品の総合展示会「人とくるまのテクノロジー展2019」。リポート1では電動パワートレーンの注目ユニットを紹介したが、クルマの燃費を高めるには、電動化だけでなく一層の軽量化も欠かせない。電動化による質量増を補うためにも軽量化技術は必要だ。今回は、軽量化技術で注目したブースとその技術を述べる。

 軽量化技術の代表格と言えば材料置換、特に樹脂化だろう。東レは、タフポリマーを使う電気自動車(EV)のコンセプトカー「ItoP(アイトップ)」や日産自動車のEV「リーフ」のレーシングカー「リーフRC2」を展示した。このほか、様々な樹脂素材を並べている中、注目はドアのインナーパネルだ。

東レのブースに展示されていたCF-SMC製のインナードア
量産性と軽さを両立できる上に、従来のCFRPより低コスト化できる製法だ。
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 これまでドアパネルの樹脂化となるとアウターパネルのみで、ガラスやドア全体を支えるヒンジを取り付ける強度なども影響して骨格であるドアインナーパネルは鋼板製だった。成形が容易な樹脂では強度が不足し、熱硬化樹脂を用いたCFRPでは量産性が低く、市販車には採用できないのが課題だった。

 東レは、短冊状のカーボンファイバーを熱可塑性樹脂で固めて板状にしたSCM(シート・モールディング・コンパウンド)を使い、金型でプレス成形することにより炭素繊維強化熱可塑性樹脂(CFRTP)製のインナードアを量産できる技術を確立したのだ。展示ブース壁面には、試作品のドアインナーパネルが展示されており、持ち上げてみると鋼板製よりはるかに軽量に仕上がっているのが実感できた。

 FRPやCFRPなどのコンポジット材は軽量で強靱(きょうじん)にできるのがメリットだが、単一素材と異なり、異方向性の強度を持つため、強度計算で最適な強度や剛性、重量に調整することが難しい。

GSIクレオスのブースに並べられた試験片
表面に特殊なパターンのペイントを施すことにより、変位量を正確に計測し、荷重データと照らし合わせて解析することにより、強度や剛性を判断できる。
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