国土交通省は、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)などの電動化車両に関して、歩行者などに車両の接近を知らせる機能をもつ車両接近通報装置(AVAS :Acoustic Vehicle Alerting System)の取り付けを義務化している。新型車は2018年から義務化、継続生産車は2020年から適用を受ける。世界的に進む義務化に対応して、関連する部品メーカーの製品を、5月下旬に開催された「人とくるまのテクノロジー展2019横浜」の会場で確認できた。

世界規模で進むAVAS装着の義務化

 AVASのEV/HEVなどの電動化車両への装備義務化の流れを追うと、2010年から国土交通省の自動車メーカーへのガイドラインの提示によって装着の義務化の方向性が示され、日本市場では同年にトヨタが先代「プリウス」で初採用。作動の上限速度は25km/hに設定されていた。同年末に発売された日産のEVである「リーフ」は、初代発売時から発進時で30km/hまでとし、減速時で25km/h以下になると車両接近を知らせる通報音を発する設定としていた。日産のシリーズハイブリッド機構である「e-POWER」を備える「ノート」「セレナ」も、リーフと同様の機能(音色)を与える。ホンダも「CR-V」「インサイト」など最新のHEVにAVASを装着した。

 輸入車でもフォルクスワーゲンの「ゴルフGTE」や「e-ゴルフ」などで採用された「Eサウンド」を設定。ジャガー初のEVである「Iペース」も2019年に欧州で施行されるAVAS規制に対応している。

 2016年に開催された、国連欧州経済委員会(UN/ECE)の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)第168回会合において、協定規則に関して新たに採択された「静音性車両に係る協定規則(第138号)」の内容を踏まえ、国土交通省はAVASについて同年6月に、前述のように新型車が2018(平成30)年3月、継続生産車は2020(令和2)年10月から設置の義務付けを発表。合わせて、作動/停止を切り替えが可能なスイッチの設定を禁止した。

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図1 マレリの「アクティブサウンドデバイス」
(a)サウンドデバイス本体、(b)デバイスの説明。2019年5月に誕生したカルソニックカンセイとマニエッティ・マレリとの統一ブランドである「マレリ」は、排気系のマフラー部分にスピーカーなどを内蔵したシステム「アクティブサウンドデバイス」を展示した。環境規制の強化によって、自動車メーカーは自社のブランド・イメージにふさわしい排気音の演出・設定に苦慮しており、電動化車両でのAVAS機能として歩行者などに車両の接近を知らせる通報音に関しても、エンジン車の排気音を模した電子的な発生音の制作に取り組んでいる。

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