クルマの開発は、安全・快適装備の多機能化により、開発リソースが慢性的に不足気味になっている。そんな状況を裏方として支えるのが、ベルギーAVLのようなエンジニアリング企業だ。パワートレーンの開発を強みとするAVLの日本法人、エイヴィエルジャパンのテクニカルセンターを取材した。

 AVLという企業をご存じない方のために少しこの企業の概要に触れておくと、オーストリアのグラーツにAVLが設立されたのは今から70年も前のことだ。内燃機関の権威プロフェッサー・リストが独立系のエンジニアリング会社を設立し、エンジンの研究開発を独自に続け、また自動車メーカーからエンジン開発を受託したり、共同開発をしてきた。

4Dyno Powertrain & Vehicle Testbedで走行テストを行なっている様子。天候や交通条件などに左右されず、安定した環境でパワートレーンの試験が行なえるシステムだ。(撮影:筆者)
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 日本の自動車メーカーは開発のアドバイスや委託、共同開発をすることで、その関係は半世紀にも及ぶ。

 2000年代に入るまで、クルマのパワーユニットの開発は、設計・試作したものをテストベンチで回し、トルク特性や燃料消費率を実測してきた。高価な試作エンジンや試作車をつくらなければ、開発を進めることができなかった。

 ところが近年のクルマの開発は、かなりバーチャル化が進んでいる。

 マツダがスカイアクティブ・テクノロジーによりガソリンエンジンとディーゼルエンジンを大幅に進化させるにあたり、MBD(モデルベース開発)と呼ばれる、コンピューター上で試作や試運転を繰り返すシミュレーションを駆使して、実機の試作をギリギリまで遅らせて開発コストを抑えながら完成度の高いエンジンを作り上げたのは有名な話だ。

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