2019年の「オートモーティブワールド」では、自動運転関連企業の復調ぶり、電動パワートレーンに参入する新興勢力が相次いでいることを述べた。今回は、高品質なボディーの効率的な生産における新技術に注目してみる。

 超高張力鋼の冷間プレスは、自動車メーカーが生産性を高めるため、開発を進めている生産技術の一つだ。つい先日もマツダが1310MPa級超高張力鋼の冷間プレス技術を確立したことを発表している。

ホンダ系のプレス材メーカー、エイチワンのブース展示。超ハイテン鋼の加工などプレス技術の高さを誇る。フロントピラーは現行NSX用の1500MPa級の角材を熱間成形する。(撮影:筆者)
[画像のクリックで拡大表示]

 会場内を歩いていると、軽量化技術に関するエリアでホンダ系のプレス材メーカーのエイチワンが、同社で生産しているボディー構成部品を実際に使われている位置に合わせて展示した。すべて同一車種用という訳ではないため、よく見るとシルエットに若干の無理があるが、様々な素材で色々な形状をプレス成型していることが良く分かる。

 ホンダ「NSX」の大きく湾曲したフロントピラーは、エイチワンが生産しており、三次元熱間曲げ焼き入れと言う製法によって実現している。これは1500MPa級の超高張力鋼角パイプを熱して曲げた後、急冷して焼き入れすることにより高精度で高強度なピラー材としているのだ。

 超高張力鋼が最も使われているのは、センターピラーやボディーのメンバーといった主要な構造材だが、同社は現時点で980MPa級の超高張力鋼を使用し、冷間プレス加工で立体感の高いセンターピラーを実現して供給している。さらに次世代技術として展示されていたのは、1470MPa級の超高張力鋼板をシワ無くセンターピラーに成型したもの。その技術力の高さを感じさせてくれた。

塑性加工が難しい7000番台のアルミ合金をプレス成形するため、熱処理前の素材を使い、高温成形により成形性と強度向上を実現したエイチワンのアルミ熱間成形の試作品。(撮影:筆者)
[画像のクリックで拡大表示]

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら