ここ最近、温室効果ガス低減のために、航空機の推進系を電動化する動きが活発である。今までの航空機用ターボファンエンジンは、ガスタービンでファンを回して推進力を得ていた。しかし、近年はファンを回すためにガスタービンではなくモーターを使用した推進系、すなわち「電動推進系」が注目されるようになってきている。この電動推進系を備えた航空機を電動航空機と呼ぶ。このうち、100人以上の乗客を乗せる大型旅客機に向けて、超電導技術を電動推進系に取り入れるための研究開発が世界で盛んに行われている。筆者が所属する東京大学大学院新領域創成科学研究科先端エネルギー工学専攻の大崎研究室もその1つである。

 電動航空機では、モーターやモーターを駆動するインバーターの重さ当たりの出力密度を高めることが強く求められる。超電導技術が注目されるのは、従来を超える大幅な出力密度向上を図れるからである。超電導技術の導入により20 kW/kg以上のモーターを実現できると期待されている。現在、出力密度を高めやすいとされる永久磁石式同期モーター(PMSM:Permanent Magnet Synchronous Motor)においても、高密度なもので5 kW/kg程度にとどまる。

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