クルマにインフォテインメントシステムが搭載されるようになって、自動車業界には大きな変化がもたらされた。インフォテインメントシステムが運転者とクルマとの間に新しいインターフェースを作り出したためである。携帯電話が登場したときと同じように、ヒトと技術の関わり合いが変わったのだ。

 インフォテインメントシステムが登場する以前は、スタンドアローンのオーディオシステムがクルマには搭載されていた。オーディオシステムの提供者は自動車メーカーではないことが多かった。現在、こうしたオーディオシステムが自動車メーカーのインフォテインメントシステムに置き換わってきている。インフォテインメントシステムにはオーディオだけでなく、ナビゲーション機能が搭載され、空調制御といったその他の機能も取り込まれる。リアビューカメラなどADASの前身の安全機能や、携帯電話機さえもインフォテインメントシステムの一部として稼働するようになってきた。

 主にUSBやBluetoothといったインターフェースを使って、携帯電話機をクルマに接続できる。これによって、メディアにアクセスしたり、情報を入手したり、あるいは単に電話をかけたりすることが簡単に行えるようになる。USB経由の有線接続をした場合、さらなるメリットが得られる。忙しい朝の通勤時にのんびりと田舎道をドライブしている間でさえも、携帯電話機のバッテリーが充電されるというメリットである。

図1:USB Type-CコントローラーICの評価ボードをUSB Type-Cコネクター付きケーブルで接続。ON Semiconductorの写真
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 バッテリー充電に関する、上述した利便性を過小評価してはいけない。使用頻度が高いスマートフォンユーザーの場合、1回の充電で1日を過ごすことに苦労している。USBインターフェースの進化によって、自動車のオーナーは自分のクルマでもスマホを充電できるようになる。

 ただし、自動車産業は民生市場ほど製品サイクルが早くないので、新しいコネクターであるUSB Type-Cの導入に当たっては、自動車メーカーはそれ相応の苦労を強いられるだろう(図1)。例えば、Type-CではUSBコネクターの外形が変化しており、この変化に対応する必要がある。携帯電話機は自動車よりもはるかに頻繁にアップグレードされるため、消費者は自動車サイドでの多少の遅れは受け入れるかもしれない。

 しかし、新しいファミリーカーを選ぶときには、間違いなく最新のUSBインターフェースが装備されていることを望むだろう。新しい標準規格によって、より多様な機器の充電がクルマで可能になるからである。今後は携帯電話機に限らず、ラップトップPCや、ビデオカメラ、タブレット端末など、より高い電力を必要とする機器はすべて、USB Type-Cを経由して電力の供給と充電するようになると考えられる。

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