2018年5月号の日経ものづくり(目次はこちら)特集1は「新材料で勝つ」です。いま、世界的に材料開発ブームが起こっています。機能や生産性、環境性能が高い魅力的な新材料が多数生まれているのです。その中から「炭素繊維強化樹脂(CFRP)」と「新機能樹脂」、「セルロースナノファイバー」、「マグネシウム合金」の4つに焦点を当て、ものづくりで使いこなすために必要な基礎知識から最新応用事例までを紹介しました。

特集1:「新材料で勝つ

 新材料のブームが続くの要因の1つは、新材料の「普及法則」の変化です。新しい材料が業界をまたいで実用化する展開のスピードが増し、試用から実用に至る時間が短くなっています。顧客ニーズを満たすための要件が厳しくなり、既存の材料では達成が難しくなっています。だから新材料に頼らざるを得ない。新材料抜きでは「戦えない」時代が始まっているのです。

 巻頭のインタビュー『挑戦者』でも、デザイナーの水戸岡鋭治氏に「新材料の重要性」をテーマにお話を聞きました。水戸岡氏はJR九州の超豪華寝台列車「ななつ星 in 九州」や「或る列車」などの鉄道デザイン、JR大分駅の駅舎や長野県・小布施町の街並みといった幅広い分野で活躍するデザイナーです。

 そんな水戸岡氏は「素材が決まらないとデザインはできない」と話します。製品価値でなく、商品価値を高めるために、材料を選び抜く必要があるというのです。金属や樹脂、ガラスといった一般の工業材料ではなく、可能な限り天然素材を使いたいと考えているそうです。

 それは天然素材には利用者のうれしさや、心地良さ、珍しさなどの期待値を高めていく効果があるから。デザイナーは芸術作品を作っているわけではなく、デザインした商品をヒットさせねばならない。たくさんのお客様に喜んでもらわなければ、その商品に参加した人たち全員がハッピーにはなれないという言葉に、水戸岡氏のデザインの根底に流れる揺るがぬ思いを感じました。

 特集2は「純銅加工も楽々 国産青色半導体レーザー」。従来のレーザー加工機では難しかった「純銅」の加工が視野に入る、大出力で高輝度の青色半導体レーザーの開発がオールジャパン体制で進んでいます。次世代のレーザー加工の優位性を左右すると言われる青色レーザー。その開発の最前線を追いました。

 好評の『ものづくりQuiz』はヤンマーが開発を進めている「サスペンションボート」を取りあげました。水面に浮かぶ左右2つの細長い「デミハル」の上に、油圧シリンダーを介して10人乗りのキャビンを載せている特異な構造を採用しています。船に向かう波のエネルギーでデミハルを上下させ、波をいなす不思議なボートのカラクリをご堪能下さい。

 日経ものづくりは、ものづくりの業務に役立つ様々な切り口とジャンルの情報を集めて読者にお届けする所存です。ぜひお力添え下さい。

                   日経ものづくり編集長 山田剛良