千葉ロッテマリーンズのアスリートに「打撃」とバットについて語っていただくインタビューの第2回。第1回に登場した角中勝也選手を育てた、1軍打撃コーチの金森栄治氏にお話を伺いました。

金森 栄治   千葉ロッテマリーンズ打撃コーチ
PL学園高等学校、早稲田大学、プリンスホテルを経て1981年ドラフトで西武ライオンズに入団。その後、阪神、ヤクルトと渡り歩き、1997年にヤクルトの打撃コーチ補佐に就任。2001年には西武でコーチ補佐。2003年には福岡ダイエーでスコアラー。2004年に阪神、2005、2006年の2年間は福岡ソフトバンクでコーチを務めた。2007年から2009年は独立リーグ「ベースボール・チャレンジ・リーグ」の石川ミリオンスターズで監督を務め、2010年に千葉ロッテマリーンズの打撃コーチに就任、1年目にチームの日本一に貢献した。2012年シーズン限りで退任、2014年4月から2017年3月まで金沢学院東高等学校(現金沢学院高等学校)で監督。2017年はノースアジア大学でコーチを務め、2018年から再び千葉ロッテの打撃コーチに就任。その卓越した打撃理論に日本球界に師匠と仰ぐ選手は多い。
写真:千葉ロッテマリーンズ
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 その人を知ったのは、前回で取材した「ノンステップ打法」の角中勝也選手を育てた人だったから。もし金森コーチへのインタビューが実現したら、ステップを踏まない打撃フォームがどうやって生まれたのか、真っ先に伺ってみたかった。実際にインタビュー室で目の前に現れた伝説の人は、小柄で、メガホンを持って野球観戦に明け暮れるどこにでもいるような気のいいおじさんにしか見えません。質問するのが一瞬ためらわれましたが、お聞きしました。

「あーノンステップね。あれ、好きじゃない、やめてほしいと思っているよ。でも角中はすごい。ノンステップ打法は、僕が全く関係なく角中自身が生み出したものです」

 全く予想外のお答えで笑ってしまいましたが、金森コーチの人間味のある一言で、私の緊張は最初に解けてしまいました。歴代の有名監督にかわいがられ、選手時代は「ベンチのムードメイク、練習の態度など若手の見本」、コーチに就任してからは「何も教えなくているだけでいい」と、あのクセのある野村克也監督までが高く評価したという金森コーチ。口ぶりは角中選手に賛成していないかのようですが、若手選手に対して愛情をもってしっかり認めていると感じ取れました。

 現在のマリーンズの選手はもちろんのこと、以前は和田一浩、アレックス・カブレラ、スコット・マクレーン、城島健司、井口資仁、西岡 剛、荻野貴司、清田育宏、岡田幸文らを指導。特にカブレラは、金森氏が任期満了で退任した際に「僕も辞める」と言ったエピソードが有名です。

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