本記事は、日本機械学会発行の『日本機械学会誌』、第122巻第1206号(2019年5月)pp.12-15に掲載された「衝撃圧接による異種金属の接合」の抜粋(短縮版)です。日本機械学会誌の目次、購読申し込みなどに関してはこちらから(日本機械学会のホームページへのリンク)

 異種金属接合で通常使われる溶融接合法や固相接合法は、熱影響による材質劣化や大きな組織変化が生じるため、金属の組み合わせによっては適用できない。そこで金属同士を高速で衝突させ、瞬間的に接合する衝撃圧接法が注目を集めている。

 代表的な衝撃圧接には、爆薬の爆轟(ばくごう)を駆動力とする爆発圧接(爆発圧着ともいう)と、電磁力を駆動力とする電磁圧接とがある。爆発圧接は第2次世界大戦後にその技術が確立され、幅広、厚肉の異種金属クラッド材の製造などに利用される。電磁圧接は小型部材や管状部品の接合などに利用されている。

 衝撃圧接の特徴を図1に示す。金属同士をある衝突速度V、衝突角度βで高速傾斜衝突させると、衝突点からメタルジェットが放出され、これにより金属表面の酸化皮膜や汚れが除去されて活性な清浄面が出現する。衝突点の高圧力下では、固体金属があたかも流体(気体や液体)のように振舞い、衝突点後方の接合面には特徴的な波状界面が生じる。同種金属はもちろん、異種金属間においてもきわめて強固な接合が実現する。特徴的な波状界面に起因するアンカー効果の寄与もある。接合材の温度変化や組織変化は接合界面とそのごく近傍に限られ、母材の組織や特性はほとんど変化しない。

図1 衝撃圧接の特徴
(出所:熊井 真次、日本機械学会)

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