本記事は、日本機械学会発行の『日本機械学会誌』、第121巻第1196号(2018年7月)pp.10-12に掲載された「計算力学技術者認定事業の概要」の抜粋(短縮版)です。日本機械学会誌の目次、購読申し込みなどに関してはこちらから(日本機械学会のホームページへのリンク)

計算力学と解析技術者の質の保証

 設計する製品をコンピューター上に仮想的に構築し、変形や振動、熱伝導、流動など多様な力学挙動を精密に評価して開発の効率化を図り、同時に性能向上や品質向上を目指すのがデジタル・エンジニアリングである。そして、その中核を担う基盤技術が計算力学であり、あらゆる理工学分野で活用され、医学分野にも応用が進んでいる。計算力学はCADやCAMと対比してCAE(Computer-Aided Engineering)とも呼ばれる。

 計算力学普及の背景には、高性能かつ廉価で使いやすいコンピューターやオペレーティングシステム、そして多様な汎用計算力学ソフトウエアがある。これによりデータ入力は簡便になり、解析結果もきれいに表示されるようになったが、これをブラックボックス的に用いて信頼できる解を得ることはまだできない。不適切な要素分割や境界条件の設定間違い、不適切なアルゴリズム選択などで、見当違いな解析結果を得る危険性を常にはらんでいる。

 設計・製造が間違った解析結果に基づいていると、性能不足や事故などの大きな損失に繋がる。計算力学のメリットを最大限活用するため、計算力学ソフトの品質保証に加え、計算力学技術者の質を保証し、計算力学解析の信頼性を担保することが重要だ。解析の信頼性は現在V&V(Verification & Validation:検証と妥当性確認)ともいわれる。

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