2018年7月に起きた宇宙関連の出来事をまとめた「宇宙ビジネス通信」をお届けします。今月も、国内外のベンチャー企業の取り組みが着々と進んでいるというニュースが報じられました。ここでは、以下の5つの出来事をピックアップしてみました。

【1位】英国、小型ロケット打ち上げを宇宙ベンチャーのオーベックスに委託

 英国は、宇宙産業の活性化を目指して、宇宙インフラの整備を積極的に進めています。2018年7月16日、英国宇宙機関(UK Space Agency)は、米ロッキードマーチン(Lockheed Martin)に対して、スコットランド北部沿岸のサザーランドに射場を、バークシャー州のレディングに研究開発施設の建設を委託したと報じています(英国政府のプレスリリース)。

 スコットランドという立地に対して、なぜと思われる読者も多いかと思います。スコットランドにロケット射場を構えるのは、衛星を極軌道(軌道傾斜角が90度または270度に近い軌道)に投入するのに適しているからです。

 英国宇宙機関は、サザーランドからロケットを打ち上げる企業として、英国のベンチャー企業、オーベックス(Orbex)を選定し委託すると報じています。Orbexに対し、700万ドルの予算を割り当てる予定といいます。これと同時にOrbexは計3960万ドルの資金調達に成功しているようです。

 Orbexは、英国ロンドンに拠点を置く11~50人規模の従業員を抱える小型ロケットのベンチャー企業です(Orbexのホームページ)。

 また英国宇宙機関は、スコットランド企業のハイランズ・アンド・アイランズ・エンタープライズ(Highlands and Islands Enterprise)に対して、300万ドルの予算でサザーランド基地の建設を委託し、航空機からのロケット空中発射実験も実施するようです。

 先月のこの連載でも紹介しましたが、英国は独自の測位衛星システムの開発を計画するなど宇宙産業活性化に向けた取り組みが非常に盛んです。また、英国宇宙機関は米国政府との交渉も積極的に進めているようで、米国の老舗宇宙関連企業やベンチャー企業を積極的に誘致し、英国でのロケット打ち上げのための環境整備を進めています。

Orbexの小型ロケットの打ち上げイメージ
(出典:Orbex)
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