フィンテックに関連する「仮想通貨・電子マネーによる決済システム」の分野において、国内外で多様な企業から多くの技術が産出されている。特許出願の面から見ると、中国籍出願人による出願や、中国への出願が近年急増している一方で、日本国籍出願人による出願や日本への出願は比較的少ない状況である。日本においては、これまで蓄積してきた技術を活用・強化するとともに、基盤技術への注力が求められる。

 近年フィンテックの進展に伴い、国内における金融関連発明の特許出願数は大きく伸長しており(2016年は前年比約46%増)、従来の金融機関や大企業だけでなく、新規企業による参入も多いことに特徴が見られます(金融関連発明における新規出願人比率は40%~50%前後の高い比率で推移)。また海外に目を向けると、世界的なICT企業が集積された米国シリコンバレーからは、革新的な新サービスが創出され、グローバルに影響を与えている状況です。

 フィンテックに関連する「仮想通貨・電子マネーによる決済システム」の分野においても、国内外で多様な企業から多くの技術が産出されています。インターネット取引のみならず、リアル店舗等の取引においても仮想(暗号)通貨や電子マネーなどの目に見えないお金による決済は年々増加しています。仮想(暗号)通貨や電子マネーの取扱いの機会が増えるにつれて、それらの決済を行うための電子決済システム・電子決済サービスも様々なシーンに対応したものが出現しており、セキュリティやネットワーク障害対応等を含めて電子決済システム・電子決済サービスは今後も発展が見込まれます。

 このような背景の下、特許庁は「平成30年度特許出願技術動向調査」において、仮想通貨・電子マネーによる決済システムに関する特許出願動向を調査し、その実態を明らかにしました。

 本調査では、「仮想通貨・電子マネーによる決済」のための電子情報処理システムに関する技術と、その一部である「仮想通貨の基幹技術であるブロックチェーン技術」の電子決済以外も含む用途への応用方法としての技術を扱います。

 図1に本調査の技術俯瞰図を示します。本調査では、図1に示す観点、すなわち、「利用場面」、「決済手段」、決済システムの「要素技術」、技術が解決しようとする「課題」の4つの観点で整理しています。

図1 技術俯瞰図
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