「樹脂素材と異種素材との接合技術」とは、樹脂素材の軽量性と金属等の耐久性とを併せ持つような、単一素材では実現できない性能を、マルチマテリアル化により実現する技術である。環境・エネルギー問題の深刻化を受け、次世代の自動車や航空機等において構造部材の軽量化が求められており、「樹脂素材と異種素材との接合技術」が注目されている。

 日本は、2010年ごろまで建材や電気・電子関連の技術開発で世界をリードしていたが、2011年以降は日本・ドイツ・中国を中心に自動車や電気・電子関連における技術開発競争が活発化している。ドイツは近年論文発表数を伸ばし、特許出願数でも上位にきていることから、ドイツでは産官学による基礎研究から実用化への研究開発が進んでいると推測される。

 専門分野の異なる材料や加工、加工装置、応用産業に関わる多くの企業と大学・公的機関が、専門性をいかして連携し、技術開発を進めていくことが重要である。

 地球温暖化の抑制のために、CO2排出量の24%を占める自動車等から排出されるCO2を低減することが要請される中、次世代の車両や航空機等の構造材料の軽量化を目的に、鋼の高張力化や軽金属への代替、さらには樹脂化等の材料転換が世界中で検討されています。しかし、軽量化と耐久性を単一材料で満足させることは非常に困難です。そこで、樹脂素材と異種素材を組み合わせたマルチマテリアル化に向けた取り組みが活発に行われており、樹脂素材と異種素材との接合技術が注目されています。このような背景の下、特許庁は、「平成30年度特許出願技術動向調査」において、樹脂素材と異種素材との接合技術に関する市場動向、政策動向、特許出願動向、研究開発動向等の調査を行い、その実態を明らかにしました。本調査の主要部分を本稿で紹介します。

 図1に樹脂素材と異種素材との接合技術における技術俯瞰図(ふかんず)を示します。本調査における主要な対象技術分野は、加熱による接合、接着剤を用いる接合、機械的手段を用いる接合です。

図1 技術俯瞰図
本調査の対象範囲は、青色の三重線の範囲内です。
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