世界的に、無人航空機、いわゆる「ドローン」の産業利用への関心が高まっている。世界のドローン市場は、2016年時点で軍事用を含め約1兆円の規模であり、2020年には2兆円超の規模になると予想されており、大きな成長が期待されている。ドローンの特許の動向を調査したところ、ファミリー件数では、中国籍が最多であり、以下米国籍、欧州国籍、韓国籍、日本国籍と続いている。また、すべての国・地域で出願数は増加傾向にあり、特に中国籍の伸びが顕著である。そして、世界中が、最も難しい技術である目視外の有人地帯飛行の実現を目指している。そこで、日本も諸外国に遅れることなくこれを実現するために、日本の高性能なデバイス技術を結集し、産学連携で各産業分野での応用を早期に実現すべきであることが分かった。本稿では、上記以外の調査結果も紹介し、調査から判明した動向を踏まえ、今後の技術開発の方向性等に関する提言を紹介する。

 本調査で対象とする技術の範囲、区分を図1に示します。機体形式は、回転翼と固定翼に分かれます。機体構造は、構造部、揚力・推力機構、動力機構、エネルギー源、安全機構などの本体と、用途によって異なるペイロードに分かれます。飛行・運航技術は、機体側の飛行制御と飛行を支える無人機管制、飛行支援装置の運用・管理に分かれます。さらに、飛行・運航技術は、飛行前、飛行中、着陸、異常時の対応といった飛行の場面で分かれます。目視外、第三者上空の飛行では、より高度な飛行・運航技術が求められます。応用産業は様々な広がりをみせており、農林水産業、土木・建設、空撮などの民生用から軍事用まであります。

図1 ドローンの技術俯瞰図(ふかんず)
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調査範囲について

特許文献については以下のようになっています。

  • 出願年(優先権主張年):2007年~2016年
  • 出願先国・地域:日本、米国、欧州、中国、韓国、台湾、イスラエル、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の8か国・地域
  • 使用した商用データベース:Derwent World Patents Index (米国クラリベイト・アナリティクス社が提供。CAMELOT UK BIDCO LIMITEDの登録商標)

非特許文献については以下のようになっています。

  • 発行年:2007年~2017年
  • 使用した商用データベース:Scopus (Elsevier社が提供。エルゼビア ビーブイの登録商標)

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