世界のリチウム二次電池の市場規模は2015年の約2.1兆円から、2020年には約3.2兆円になると予想されており、特に車載用途分野では、世界的な環境対応車需要の増加によりリチウム二次電池の需要が大きく拡大を続けるとみられる。日米欧中韓への出願では、日本国籍出願人は全体の45.1%を占め最多であるが、中国籍及び韓国籍出願人による出願件数が増加傾向にある。Si系負極では、日本国籍だけでなく中国籍、韓国籍、欧州国籍、米国籍からも出願が多く、硫化物系固体電解質も韓国籍、中国籍は増加傾向であり、日本の研究が他国をリードしている分野でも、他国の出願が活発になってきている。

 リチウム二次電池は、1990年代に上市され、携帯電話やモバイル機器等に利用されてきましたが、近年の容量の増大化やさらなる安全性確保の研究の進展に伴い、今日ではHV(ハイブリッド車)、EV(電気自動車)等、自動車のエネルギー供給デバイスや定置用電源等、様々な分野に用途が拡大しつつあります。このような背景のもと、特許庁は、リチウム二次電池に関し、平成21年度、平成24年度に特許出願技術動向調査を行っていますが、その後も当該技術への注目度が増しており、更新調査の必要性が指摘されていました。そのため、「平成29年度特許出願技術動向調査」において、リチウム二次電池に関する市場動向、政策動向、特許出願動向、研究開発動向等の調査を行い、その実態を明らかにしました。本調査の主要部分を本稿で紹介します。

 図1は本特許出願動向調査「リチウム二次電池」の調査対象範囲を示す技術俯瞰図です。容量・出力特性の向上、信頼性・安全性の向上、低価格化という市場要請に適合するため、要素技術、即ち、正極、負極、電解質、セパレータ、外装、装着・モジュール、集電体を対象として、開発と実用化が進められています。

図1 リチウム二次電池の技術俯瞰図
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