日本では、世界に先駆けて超高齢社会を迎え、リハビリテーションへの要求が高まっている。今回、リハビリテーション機器に関する特許出願等の動向について調査を行ったところ、日本の得意技術を活用した多数の特許出願がなされていることが判明した。特に、リハビリテーション機器におけるロボット・センサ技術の応用は、日本の強みとなり得ることが示唆された。本稿では、上記以外の調査結果も多数紹介し、調査から判明した動向を踏まえ、今後の技術開発の方向性等に関する提言を紹介する。

 リハビリテーションとは、人が何らかの理由で能力低下、機能低下した状態から改善するよう働きかけること全般を指します。すなわち、元の状態に戻すことだけではなく、その人に合った生活に近づけるための治療やトレーニング全般がリハビリテーションに含まれます。

 超高齢化社会の我が国では、老化や器質的障害により低下した身体的・心理的活動性を回復させ、自立性の向上と質の高い生活への復帰を目指す、老化に対するリハビリテーションが求められています。

 リハビリテーション機器は、医療分野で機能維持、回復、向上を目的に利用される医療機器としてのリハビリテーション機器と、介護分野で自立支援や生活支援を目的に利用されるリハビリテーション機器に大別されます。

 特許庁では「平成29年度特許出願技術動向調査」において、リハビリテーション機器に関する特許等の動向を調査し、技術革新の状況、技術競争力の状況と今後の展望について明らかにしました(特許庁による調査レポートの概要はこちら(PDF形式)。この調査の主要部分を本稿で紹介します。

 本調査の調査対象範囲を図1に示します。

 リハビリテーションが必要となった原因、リハビリテーションの対象となる機能等のリハビリテーション対象の観点、小型化、モチベーションの維持等の、開発目的・課題の観点、課題を解決するための、ロボット等の要素技術の観点、そしてリハビリテーション機器が使用される環境についての社会実装の観点から、調査を行いました。

図1 リハビリテーション機器の技術俯瞰図
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