移動体無線通信システムでは、2016年6月から第4世代(4G)と呼ばれるLTE-Advancedのサービスが開始されており、現在、第5世代(5G)の標準化の検討が進められている。移動体無線通信システムに関する特許出願件数では、米国の件数が顕著であり日本は後れを取っている。このような状況において、日本には、5Gを視野に入れた研究開発・技術開発が求められる。

 図1に日本における移動体無線通信システムの高度化の経緯を示します。1979年に自動車電話としてサービスが開始され、1980年代にショルダーホン等で普及が始まったのが第1世代の携帯電話です。第2世代以降はデジタル方式となりました。この第2世代の携帯電話の方式は、日本のPDC方式、欧州のGSM方式、北米のcdmaone方式というように、国や地域によって異なっていましたが、2001年以降の第3世代の携帯電話によって、W-CDMA方式、CDMA2000方式として世界共通の標準規格によるサービスの提供が開始されることになります。その後、第3.5世代を経て、第3.9世代と呼ばれるLTE方式の導入により高速化が図られ、2016年6月から第4世代(4G)と呼ばれるLTE-Advancedのサービスが開始されています。

図1 移動体無線通信システムの高度化
(出典:「IoT時代に向けた移動通信政策の動向」 総務省 2016年11月)
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 このLTE-Advancedの標準化は、3GPP においてリリース10仕様として策定された後、機能拡張・高性能化を図る仕様策定が継続され、2016年3月のリリース13で標準仕様が完成しました。リリース13には、新サービス創造のための新技術、ユーザースループットの容量増大のための新技術、ネットワーク運用経験を踏まえた機能改善などが含まれています。

 その後、3GPPでは5Gの技術性能要件の検討に着手し、図2に示すような5Gの標準化のロードマップによって、5Gのベースとなる仕様の検討が進められています。2020年のサービス開始を目標に、現在、標準化の検討が進められている次世代の方式は、3GPPにおけるリリース15以降を第5世代(5G)と呼ぶことで合意されています。

図2 5Gの標準化のロードマップ
(出典:「IoT時代に向けた移動通信政策の動向」 総務省 2016年11月)
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