クラウドサービス・クラウドビジネスに関する市場は今後も拡大することが見込まれており、特にSaaS市場は、大企業群の寡占状態ではなく、中小企業やベンチャー企業にもビジネスチャンスの可能性がある。特許出願件数を見ると、日本は、米国や韓国に後れを取っているが、AI(人工知能)の利活用等を行ってビジネスチャンスをつかむことが重要である。

 「クラウド」とは、一般的にはコンピュータのハードウエア、ソフトウエア、データなどをインターネット経由で利用者に提供することです。つまり、インターネットを経由したサービスの提供方法/利用方法であって、具体的な技術ではありません。そして、このような形態で提供されるサービスやビジネスを「クラウドサービス・クラウドビジネス」といいます。

 このような概念やサービスは「クラウド」という用語が出現する前から存在しましたが、仮想化技術や分散処理技術等の進歩やデータセンタにおける運用ノウハウの蓄積、また、高速ネットワーク環境の実現によって、近年、低コストかつ実用性のあるクラウドサービス・クラウドビジネスが提供されるに至っています。

 クラウドサービス・クラウドビジネスに関する市場は今後も拡大することが見込まれており、当該技術分野は重要な技術分野であるといえます。

 このような背景の下、特許庁は「平成28年度特許出願技術動向調査」において、クラウドサービス・クラウドビジネスに関する特許出願動向を調査し、その実態を明らかにしました(特許庁による調査レポートの概要(PDF形式)はこちら)。

 図1に本調査の技術俯瞰図を示します。クラウドの利用形態としては、一般的に、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)の3種類に分けられます。その中で今回の調査対象はSaaSであり、クラウドサービス・クラウドビジネスが適用される「応用産業」の観点、それぞれの「応用産業」においてどのような「用途・機能」としてクラウドが利用されているのかという観点、「機能・用途」を実現する「手段」としてのサーバ・ネットワーク、クライアントにおける技術要素という観点、これら主に3つの観点で整理しました。

図1 技術俯瞰図
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